前半は我慢して読み進みましょう!匿名交叉 降田天/著

1.概要 2015年『このミステリーがすごい! 大賞』大賞受賞作『女王はかえらない』の著者が描く、受賞後第一作目です。 昨今騒がれているSNSで起こった事件につながる、現代社会の闇や問題をうまく表現した作品だと思います。 本作ですが、始めは主人公ふたりともとても嫌な性格で共感する気になりませんでした。彼(彼女)のやっていることが、とても稚拙で自分の気に入らないものを徹底的に排除しようとする姿勢は、 […]

全13篇の短編小説集。降るがいい 佐々木譲/著

1.概要 久しぶりの佐々木譲の小説です。今回は、シリーズものである「道警シリーズ」ではありません。 60爺にとって、佐々木譲の小説では初めてとなる短編をまとめた小説集です。 あとがきに書いてありますが、雑誌発表を予定せずに自作朗読会のために書いた作品も4編ありです。 その4篇ですが、まず、この本の表題となっている「降るがいい」、「迷い街」、「不在の百合」、「隠したこと」です。この本の最初の4作品で […]

最終的にとんでもない敵の正体が明らかに。Tの衝撃 安生正/著

1.概要 またまた安生正の小説を読みました。 今回の物語は、自衛隊の核燃料運搬車が予想以上に強力な火器で武装した集団に襲撃を受け強奪されてしまうことから始まります。 さらに、とんでもない悪天候の中を飛騨山中の施設に向かった大学教授らが土石流に遭遇し、偶然生き残った准教授のエピソードが出てきます。 この二つの事件を発端にして、物語が進んでいきます。主人公は、核燃料襲撃犯洗い出しを厳命される自衛隊の運 […]

闘いの夢枕獏ワールドが堪能できます。新・餓狼伝 巻ノ五 魔拳降臨編/夢枕獏 著

1.概要 夢枕獏の描く超人達が闘う武闘小説の新刊が出ました。「新」がついて5巻目となります。今回も、超人達が闘っていますが、さらなる新キャラクターが現れます。さて、どうやって完結に向かうんでしょうか? この新・餓狼伝ですが、巻の一から、この巻の五まで、もろ、夢枕獏の格闘の世界そのものです。この小説のあとがきで作者もこう言っています。 格闘技について世界で一番小説に書いてきた作家であると思う。一つの […]

後継者の能力を見つけ誓いを新たにする魔導士の物語。イスランの白琥珀 乾石智子

1.概要 久しぶりの乾石智子作のファンタジー小説です。「オーリエラントの魔道師」シリーズの最新作で、今回の舞台は、コンスル帝国ではなく、コンスル帝国の東に位置するイスリル国です。 主人公は、登場人物の欄では、放浪の魔導士であるオーヴァイデン(オーヴ)です。この人物は、実は王殺しの魔導士とされるヴュルナイの成れの果てと言うことが読んでいると明らかにされます。 オーヴァイデンは、国母であるイスランから […]

60を過ぎたらチラッと目を通してもいいかも。六十代と七十代 心と体の整え方 和田秀樹/著

1.概要 新聞の一面の下にある広告で本書を見かけました。60爺も、60台半ばとなり、これからの人生の指標になり得ればと思い、読んでみることにしました。 本書の著者は、老年精神医学、精神分析学、集団精神法学を専門とし、本書の他にも「人は感情から老化する」などの著書が多数ある精神科医です。 本書は、副題に「良く生きるために読む高年世代の生活学」と銘打っており、高年即ち高齢者のうち、60~70代の世代が […]

たくさんの人物が登場し、ひとつの目標に収束していく物語。天使も怪物も眠る夜 吉田篤弘/著

1.概要 この作者の作品は初めて読みます。作品の世界に入り込むのに、少々時間を要しましたが、入ってみればなかなか面白く、409ページの長編でしたが、それほど時間を要さずに読み切りました。 今回は、始めに内容紹介をします。 二〇九五年、壁によって分断された東京は“不眠の都”と呼ばれていた。目覚めるのははたして天使か怪物か 眠り姫を目覚めさせるため、八人目の王子は壁をこえる 上述のように、西暦2095 […]

相変わらずの面白さ、自分の身体を自在に操る!キマイラ15 魔宮変 夢枕獏/著作

1.概要 キマイラ15が出ました。夢枕獏の描く世界の集大成にもなろうという作品です。この作品は、60爺の読書の部屋でも何回か感想を書いていて、今回が4作品目になります。 過去の記事は次の通りです。 またまた面白い続編が出ました。キマイラ14望郷変 夢枕獏/著 終章に向かって物語が動き出したか、登場人物が躍動を始める!キマイラ13 夢枕獏/著 30年以上続く大々長編ですがし面白さは全く変わらない!キ […]

情報部三佐が苦心の連続で戦う!ゼロの迎撃 安生正/著

1.概要 第11回『このミステリーがすごい! 』大賞『生存者ゼロ』でデビューした安生正の作品です。この物語でも、自衛隊が活躍します。 主人公は真下俊彦三等陸佐です。妻が自衛隊中央病院に入院しています。1ヶ月前、担当医から、癌で余命半年を告げられ、真下は茫然自失となります。子宮全摘の手術日、そんな真下に出頭命令が届きます。 真下は4日後、朝霞駐屯地の東部方面隊総監部へ移動が決まっていました。ところが […]

歴史の英雄が全てを望んだわけではない!もののふの国 天野純希

1.概要 天野純希による武士による対立の歴史の物語です。そして、その対立の軸には、海族と山族が存在していたことを読み解いています。海族と山族は決して和することなく、相対した時点で互いに嫌悪を感じる設定です。 物語の始まりは平将門からです。この源平の時代から始まって、明治維新の土方歳三に至るまでの闘いに焦点を当て、これらに海族と山族の争いが隠されていたことを、うまく融合させています。 そして、それぞ […]