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歴史・時代小説

歴史、時代小説

壮大な物語の始まりです。チンギス紀 一 火眼 北方謙三/著

1.概要 北方健三著作の連作物を久方ぶりに手にしました。チンギス紀-元朝を興したチンギス・ハーンの物語です。壮大な物語になるでしょう。実際、2021年4月5日現在で10巻まで刊行されています。 さて、北方謙三作の連作物ですが、楊家将から水滸伝、楊令伝と読んできたんですが、いわゆる滅びの美学と言いますが、それぞれの最後がねエ。 はっきり言って、「エエエエ!」という終わり方になっておりまして、楊令伝以 […]

戦場をかける一陣の旋風、結末が悲しい!蛇衆 矢野隆/著

1.概要 矢野隆が、2008年『蛇衆』にて第21回小説すばる新人賞を受賞した作品です。戦始末に続く矢野隆作品の感想ですが、今回の作品は史実ではない戦国伝奇物にあたります。 時代は室町末期、金で雇われて戦に加わる傭兵集団:荒喰(あらばみ)と呼ばれる者たちの物語であります。 とにかく強いの一言です。たった、数名の集団ですが、戦の帰趨を変えてしまうほどの力を携えています。 プロローグは、鷲尾重意(嶬嶄の […]

殿軍や負け戦に直面するそれぞれの武将の思惑が興味深い!戦始末 矢野隆/著

1.概要 2008年『蛇衆』にて第21回小説すばる新人賞を受賞した著者の作品です。 殿軍や負け戦に直面する武将たちの心境を描いています。 殿軍とは、「大部隊が移動する時、その最後部(=殿)に位置する軍勢のことです。特に、退却軍の後部で、敵の追い討ちを防ぐ軍勢です。ですので、負け戦の時などは生き残る可能性が低いんです。 この殿軍を任され、無事にやり遂げると、その勇猛さを認めてもらえるというメリットが […]

歴史の英雄が全てを望んだわけではない!もののふの国 天野純希

1.概要 天野純希による武士による対立の歴史の物語です。そして、その対立の軸には、海族と山族が存在していたことを読み解いています。海族と山族は決して和することなく、相対した時点で互いに嫌悪を感じる設定です。 物語の始まりは平将門からです。この源平の時代から始まって、明治維新の土方歳三に至るまでの闘いに焦点を当て、これらに海族と山族の争いが隠されていたことを、うまく融合させています。 そして、それぞ […]

新撰組生き残りの三名が歴史の狭間で大暴れ!至誠の残滓 矢野隆/著

1.概要 本作は、明治の世に警官になった斎藤一と、動乱で亡くなったはずの山崎烝と原田左之助が再会し、歴史の狭間で大暴れする物語です。 さらには、長州の伊藤博文と山縣有朋とも絡んで、新撰組の三名が命懸けの働きをします。とても、読みやすくて面白い小説です。 ここでは、主人公の新撰組三名の略歴を述べておきます。 斎藤一:新撰組三番隊組長を務め、明治の世まで生き残り、藤田五郎の名で警官となって西南戦争の際 […]

それぞれの主人公の葛藤が見られます!信長嫌い 天野純希/著

1.概要 久々の天野純希著作の小説を読みました。前回は戦国末期の織田有楽斎の小説でしたが、本作は、織田信長の勃興時から没後まで、信長に人生を狂わされた(内容紹介より)七人の男を題材に取ったものです。 この方の感想文は今回で4冊目ですね。天を分かつ川(周瑜、決戦三国志!の2番目)、島津義弘伝(島津義弘)、有楽斎の戦(織田有楽斎)に続くものです。 織田信長は、歴史が好きなら誰もが知っている戦国時代の超 […]

ちょっぴり悲しく爽快な物語!鬼神 矢野隆/著

1.概要 この方の作品を読むのは初めてです。 矢野隆は、1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、『無頼(ぶら)無頼(ぶら)ッ!』『兇』『勝負(ガチ)!』など、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。 本作品は、金太郎で有名な坂田金時を主人公に据え、源頼光と他の四天王(渡辺綱、卜部季武、碓井貞光)と共に、大江山鬼退治を題材に取った物語です。 お話は […]

義昭の視点で歴史を見ていくことに新鮮さを覚えた!毒牙 義昭と光秀 吉川永青/著

1.概要 この作品も、少し前に読んだ「信長死すべし」と同じく戦国末期を題材にしています。 主人公は、足利幕府最後の将軍である足利義昭です。明智光秀がサブの主人公となっています。 足利幕府は、初代尊氏の時は直属の兵を抱えていたかと思うのですが、義昭の時代には直属の兵はほとんどなく、そのため、管領を務める部下たちが兵力を武器に好き勝手な行動をしていたようです。 義昭の兄である室町幕府第13代征夷大将軍 […]

読後、いくつかウーンと思う部分が・・・。信長死すべし 山本兼一

1.概要 いわゆる本能寺の変をテーマにした小説です。内容紹介にある通り、皇室が明智光秀を唆(そそのか)して変を起こさせるという設定です。 本能寺の変については、過去に様々な作品が書かれております。それというのも、その原因が明確になっていないからで、それが作家の想像力を刺激するのでしょう。 色々な原因が挙げられていますが、今回の作品にある皇室(正親町帝)が密勅を下したという設定も、過去に挙げられた原 […]

氏康の少年時代と氏綱の苦闘!北条氏康 二世継承篇/富樫林太郎 著

1.概要 富樫林太郎の新たな「北条サーガ」(あとがきで著者が語っています)の始まりです。「早雲の軍配者」から始まり、「信玄の軍配者」、「謙信の軍配者」と続き、「北条早雲」5巻に続く物語です。早雲死後の物語ですね。 さて、北条氏康は、歴史好きな方はお判りになると思いますが、戦国大名である後北条家3代目の当主です。それなのに、今回の小説の副題は、二世継承篇となっています。手に取った時から、副題に対して […]