悪徳弁護士御子柴の孤独な闘い、阿漕だがそのパワーに脱帽!『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』 中山七里/著作

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1.恩讐の鎮魂曲(レクイエム)

プロローグで示される非道な行いが、物語の中枢につながっていきます。

主人公は、今、はやりのダークな弁護士の御子柴です。

主人公御子柴の過去の悪行、医療少年院で世話になった教官への善行が語られます。池波正太郎が語っていたように、人間は、やはり、悪いことをして、良いこともしているんですね。

御子柴は、恩師である教官のため、その弁護に立つために、また立った後も、間に存在する障壁をことごとく突破していきます。

目的のためには手段を選びません、どんな汚い手でも使って、自分の思う方向に持って行きます。

どちらかといえば主人公はヒールですが、読んでいて非常に気持ちがいいです。現代日本の介護に関する現状も盛り込んであるし、最後の「どんでん返し」はお約束ですが、面白さにとどまらず、深い感動が味わえる本です。

是非、ご一読を。

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2.追憶の夜想曲(ノクターン)

この本も面白かったです。

引き続き、ダークな弁護士御子柴の活躍する物語です。

弁護士 御子柴礼司の復活から物語は始まります。「贖罪の奏鳴曲」の続編ですね。

この主人公、ガキの頃、幼児の猟奇殺人の犯人で、少年院に入っていた過去を持っています。その描写が、本編でも語られます。現在は、高額の弁護料さえ支払えば、どんな人間であっても対応する優秀な弁護士という設定です。

彼は、何故か、夫殺害犯で、一審で全てを認めた主婦津田亜希子の弁護を行うため、一審の弁護士を務めた宝来から、なかば、強引な手立てを以って、弁護の資格を禅譲させます。

なぜ、高額の弁護料を取る御子柴が、一介の主婦であり、財産もない亜希子の弁護を強く求めたのかが大きな謎です。

ここに、過去に御子柴に煮え湯を飲まされた検察官 岬恭平、控訴審の裁判長でもあり、岬の大学の先輩でもある三条護が登場して物語は進んでいきます。

やる気のなかった(無能な)宝来に代わって、御子柴は、亜希子の過去を探ってゆきます。

亜希子の義父の津田要蔵や娘の津田倫子(なんと6才、おしゃまです)も絡んできます。酷薄な御子柴が、童女である倫子に弱いところは笑えます。

控訴審第一回公判で、御子柴は冒頭で、被告人・津田亜希子の無罪を主張するわけですが、さあ、どのようにして、御子柴は無罪を勝ち取るのか?

検察官の岬が、過去の敗戦を教訓に、御子柴に真っ向から挑んでくる法廷の描写が秀逸です。

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この小説でも、お約束の大逆転劇が最後に起こります。

60爺は、こいつが殺人犯かもと思った人物が当りましたが、皆様も推理してみてください。殺害犯人の他にも、大きな謎が明らかになり、裁判は大逆転しますが、その結果には、私同様皆様も驚愕すること請け負います。

是非、ご一読を。

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