エリンが獣と闘蛇の関係を解き明かすが悲劇はそこまで・・!獣の奏者 探求編、完結編 上橋菜穂子/著

1.成長したエリンが過去と対峙 探求編

第二巻より8年の月日が経過しています。この間、エリンは何と結婚して、息子を一人設けています。この設定に、60爺は、ちょっとビックリしちゃいました。

えーー、何で、誰と・・・って感じです。結婚相手は、物語に強烈に関係を持ったイアル(かつての真女の護衛戦士「堅き楯」セザン)でして、なーるほどと思いました。

強い絆で結ばれた二人は、後半、大公(アルハン)から追跡を受けることになりますが、将来の危機に関して、しっかりと対策を練っていたことが明らかになります。

今回のお話は、闘蛇が大量死(第一巻で、エリンの母が理不尽にも処刑されることになった原因)することで、エリンがその原因の調査に入ることから始まります。

そして、探求編と銘打ってあることから、闘蛇が大量死することの原因を探るうち、過去の因縁が何だったのかをエリンが追及していくことが主の物語になっています。

ここに、隣国ラーザの陰謀が絡んできて、エリンだけでなく、その夫であるイアル、息子のジェシに危機が訪れます。

イアルとジェシがピンチに陥る中で、息子は、父の偉大さを理解していきます。この中で、カザルム王獣保護場が出てきて、場面は少ないですが、王獣もちゃんと登場します。

新たに、かつての最高位の闘蛇乗り(黒鎧)のヨハルも登場してきて、エリンと共に、闘蛇の大量死の原因を探ることになります。

隣国の陰謀に立ち向かうため、エリンは神々の山脈に向かおうとしますが、状況はそれを許さず、最終4巻へなだれ込んでいくことになります。

2.終わり方にちょっぴり不満 完結編

60爺、完結編、読み終わりました。
うーん、やっぱり、こういう終わり方か・・・。
作者も、ハッピーエンドには出来なかったのですね。ちょっと、残念。

エリンは、自分の身を捨てて、王獣を操ることを選択しました。前半は、エリンが王獣を自由自在に操る生活を中心にページが割かれています。

その間に、夫のイアルは、闘蛇乗りとして、トップに次ぐ、ナンバー2の座にのし上っています。

息子のジェシは、エリンが王獣に時間を取られているために、さびしい時を過ごしています。エリンが書き残している書類を見つけ、内容を読んでショックを受け(まだ小さいために、エリンの心がわからず)、父のイアルから、切々と諭される場面もあります。

そして、ついに、隣国のラーザとの軍が始まってしまいます。

ラーザに拉致された闘蛇衆が育てた闘蛇部隊が、思いのほか大きく育っており、イアル達の率いる闘蛇部隊との戦いは、想定外の形になってしまい、エリンが戦場に出ていかざるを得なくなってしまいます。

そして、王獣と、人の手で育てられた闘蛇が邂逅したとき、悲劇が始まってしまいます。

使命を持った女性はとても強いですね。いや、元々、女性と言うのは強いものであると60爺は思います。

この齢になってつくづく感じます。その強い女性が、使命感を持って、あることを成し遂げようとすると、最終的には、このような結末にならざるを得ないのかもしれません。

そして、エピローグ、・・・。ここは、もう皆様でお読みになってください。

楽しませてくれた獣の奏者ですが、最後は、少しなーと言う終わり方になってしまいました。何度も言いますが、残念ですけど、しようがないことなのでしょう。作者も、この物語は2巻で完結していたなんて言い方もしていますし・・。

この小説は、それでも、楽しめると思いますよ。

是非、ご一読を。