ドクター・デスと警察の息詰まる対決と安楽死の現実が重い!ドクター・デスの遺産 中山七里/著

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安楽死に誘うインタネット上のコンテンツがあり、それに応募すると、病状等を問われ、状況が本当の場合に応募した者の依頼を遂行してくれるドクター・デスが主人公です。

警察に通報があり、父親が殺されたので調べて欲しいとの依頼です。

通報者は、小学生であり、当初は相手をしなかった警察ですが、何度も通報してくるので、あまり、乗り気ではなかったのですが、よくよく話を聞いてみると、なんと医者が二人来ていたことが分かります。

そして、その家の経済状況は悲惨であり、また、その父親の病状も重く、全快は望み薄で、父親が死ぬことで、生命保険が入り経済状況も救われることが分かります。

ここに来て、これは事件ではないかと直感した刑事が追及していくと、前述したサイトの存在が明らかとなり、警察がドクター・デスを追いかけることになっていきます。

サイトを見ていくと、その他にも依頼者が何人もおり、警察は判明した依頼者に事情を聞きにいきます。そして、その中の何件かは実際にドクター・デスに依頼をしている節が見られ、警察は解明を試みていきます。

サイトのサーバ等を調べてみますが、海外サーバを使用しており、手が出せないことや、メールの追跡も行いますが、何度も海外を経由しているようで、解明できないことがわかります。

こういう状況下で刑事である犬養隼人(いぬかいはやと)は、自分の娘が重い病気にかかわっていることを利用して、偽の娘の名前でドクター・デスに安楽死の依頼を行い、ドクター・デスの逮捕を図ります。

しかし、ドクター・デスは、犬養よりも役者上であり、まんまと罠をかいくぐり、逆に本物の娘が入院している病院に毒薬を送ってくるという大胆不敵な対応をしてきます。

捜査をしていく中で、助けることが本当の正義ではないのではないかという考えにも取り付かれ、犯人の逮捕が正しいのか苦悶していくようになります。

それでも、何人かの目撃者からドクター・デスとの面を割ろうとしますが、印象が薄い顔立ちのため、これもうまくいきません。

そうこうするうちに、別の側面から容疑者を洗い出し、ドクター・デスの正体に迫り、ついにこれを逮捕することに成功します。ところが・・。

このあたりはさすが、中山七里の真骨頂でどんでん返しがあります。ドクター。デスは、まんまと警察の手を逃れ、真相は闇に包まれてしまう・・。

ここからは、実際に本書を手に取り、ご自身でご確認ください。
ドクター・デスの心境についてもよくわかります。

ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人 (角川文庫)

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さて、本書を読んで、60爺も安楽死について考えさせられました。

日本では、たとえば、人工呼吸器を一度取り付けると、これをはずすことは絶対出来ません。はずすと殺人になってしまうのです。

ですので、人工呼吸器を取り付ける際は、家族の同意を取り付けるのですが、緊急事態の中で同意を迫られても、生きていて欲しいとのその時の感情で同意してしまうと、ほとんど植物人間となってしまう人間が機械の力で何年も生かされてしまい、経済的に困窮してしまう例が多々あるそうです。

どうしても助からない人間を、延命治療だけで生かすことが医療として存在してしまう状況です。

この小説の中でも、本人も望んだ死が事件となり、生きている人間が裁かれるという、なんとも悲しい状況が発生しています。

ドクター・デスの行いが正しいか否かは別にして、何でもかんでも真相を明らかにすれば良いのではないと考えた次第です。

本書に関しては、よく練られた筋書きであり、警察とドクター・デスの絡み合いも面白いので、一読をオススメします。

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