夢枕獏の剣豪小説!ヤマンタカ 大菩薩峠をモチーフにした面白さ保証付きの小説

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1.夢枕獏の剣豪小説

あっという間に読みきりました。夢枕獏にしては珍しい大長編剣豪小説です。上下段542ページの大作です。

大長編といいましたが、夢枕獏という作家は、ご存知のように大長編が数多く、一冊で収まる今作は、著者にとっては大長編ではないのかもしれませんね。一冊の中に、きれいに謎解きも含めて抑え込んでいます。さすがです。

ヤマンタカとは、梵名。仏教のふん(分の下に心)怒尊(ふんぬそん)。正確には、ヤマーンタカ。我が国では、閻曼徳迦(えんまんとくか)と音写する。この名には、地獄の大王閻魔を屠る者という意味があるそうで、チベットでは、ヴァジュラ・ヴァイラヴァと呼ばれる尊神だそうです。
                --これらは、本文より抜き出し。

ご存知かどうかわかりませんが、中里介山(なかざとかいざん)著大菩薩峠(御免なさい。偉そうに言ってますが、60爺は読んでおりません)を下敷きに、夢枕獏が書いた剣豪小説です。

実際の大菩薩峠は、内容が、破綻しきった展開で、ただ、ひたすら長く、さらに、「未完」(60爺は知らなかったでう!)であるそうです。この内容を聞いてしまうと、この先、この小説を読むことは、まアないでしょう。

2.面白さは保証付き

著者が構成から見直して、後書き(p556)で記載しているように、「おもしろいぞ、この本は。腰をぬかすなよ」という小説に生まれ変わらせました。

60爺は、腰は抜かしてはいません^^;が、とにかく面白く読めました。大菩薩峠の机竜之助が主人公ですが、新撰組の土方歳三をもう一方の主人公に持ってきて、その対峙を中心に物語を展開していきます。

あ、「新撰組の」と書きましたが、新撰組が生まれる前の物語です!試衛館時代の土方歳三です。新撰組が誕生してからは、土方はとても忙しくて、この中にあるような対応はできなかったですから。

ちなみに、近藤勇、沖田総司らも登場します。様々な小説で、爽やかな青年剣士として描かれる沖田総司に対しての描写が特異で非常に面白いと感じました。でも、純粋な沖田ファンにとっては、?となるかもしれません。

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感想(0件)

「音無しの剣」の謎解きもされていますが、今までになかったような結果を出しており、実に素晴らしいと思います!

また、著者は、机竜之助の体質を解き明かしています。この症状ですが、たしか、「サイコダイバーシリーズ」に登場する密教の天才僧侶である美空のものと一緒ですね。

夢枕獏、格闘の小説も大変面白いですが、剣豪の戦いも大変面白く描写されています。強い男がいっぱい出てきます。

最後の机竜之助の秘密まで、ぐいぐい引っ張られて、とても厚い本ですが、爽快に読みすすめられます。

夢枕獏の小説は、本当にはずれがないですね。

是非、ご一読を。

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