無血開城となった江戸城黒書院に居座る質実剛健の侍とは!黒書院の六兵衛(上)(下)/浅田次郎 著

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1.概要

幕末の、しかも、無血開城となった江戸城に、何の因果か、官兵の先遣隊となってしまった尾張藩士:加倉井隼人、慣れない静養軍服と陣羽織、赤熊の冠り物を着て江戸城に乗り込みます。

不戦開城決した江戸城に、てこでも動かぬ旗本がひとり。居てはならぬ旧幕臣 の正体があきらかになるにつれ、城中の誰もが遠ざけ、おそれ、追い出せない ……幕末の武士の屈託まで描き出す、時代ミステリー傑作。

ここで、江戸城にありえない人物:六兵衛が居座っており、先述の加倉井隼人は困惑します。なぜ、何のために、そこにいるのか?いろいろ推理するのですが、さっぱりわかりません。

この物語には、幕末を飾った?、教科書にも出てくる人物が多数登場します。

勝海舟、西郷隆盛、徳川慶勝(尾張徳川家藩主で、寝返って官軍となった)、大村益次郎(司馬遼太郎の歴史小説「花神」の主人公、アームストロング砲を思い出します)、有栖川宮、天璋院篤姫などです。

この他に、名もなき、旗本、御家人が多数登場します。

2.内容ちょっぴり

上に述べた人々が、たったひとりの侍を説得するために右往左往します。そして、皆が皆、説得に当たるのですが、その侍は、何の返事もせずに、彼らの努力をフイにしてしまいます。

八方手を尽くして調べていくと、この侍、最近、旗本に加わったものと判明します。旗本に加わったといえば、聞こえが良いのですが、実は、旗本株をXXしたXX侍だというのです。

しかし、その実態は、そこいらの「へっぽこ侍」とは違い、質実剛健、まさに、侍の鑑というべき人物であったのです。

江戸城を退去させようにも、勝海舟や、西郷隆盛からは、力づくでやってはならない、天朝様の入る江戸城を穢してはならずということで、加倉井隼人を始め、これにかかわる周囲が、さんざん振り回されます。

そして、各々が、その出自を推理して退去させようとしますが、いっかな、うまくいきません。噂も、段々と出世していき、はては、外国のスパイ説まで飛び出す始末。

的矢六兵衛は、最初から最後まで、かっちりした姿勢を崩さず、果たして、その正体は誰なのか?

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物語は、それぞれの人物が、相手に語る形式が取られています。加倉井隼人に始まり、六兵衛の同僚や上役、六兵衛屋敷の奴、六兵衛を斡旋した悪徳商人、加倉井隼人の妻、と多岐に渡ります。

さて、たくさんの人物が想定したものの、ほとんどが真実に迫れません。幼君(田安殿)の説得さえも受け付けない六兵衛の狙いは何なのでしょうか?天皇の来訪が真近に迫る中、結末はどうなるのでしょうか。

とても、面白い小説です。

是非、ご一読を。

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