現代の科学では説明し切れない領域、うかつに手を出すと・・!聖域/篠田節子 著

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60爺は、また、篠田節子の冒険小説を読みました。この小説は、1994年に初版の出たもので、日本の東北が舞台となっています。

主人公は実藤という編集者です。本人は、やる気満々でいた部署かはずされ、月刊から季刊に代わってしまった、もう後がない雑誌の編集に移動させられてしまったところから物語は始まります。

内容紹介です。

関わった者たちを破滅へ導くという未完の原稿「聖域」。一人の文芸編集者が 偶然見つけるが、得体の知れぬ魅力を秘めた世界へ引きずりこまれる。この小 説を完成させようと、失踪した女流作家・水名川泉の行方を捜し求めるその男 は、「聖域」の舞台である東北へ辿りつく。山本賞・直木賞受賞作家の長編サ スペンス。

実藤は、月刊から季刊に代わることを良しとせず、会社に来なくなった編集者の荷物整理をしている中で、偶然目についた原稿に文字通り、取憑かれてしまいます。

作者の筆力にぐいぐい引き込まれ、あっという間に読破します。しかし、その小説は、未完成のものでした。

実藤は、この小説を完成したいという欲望に駆られます。そして、この小説の作者について調べ始めます。

前述の、勝手に辞めていった編集者の元に行き、この小説の来歴を知ることになります。辞めていった編集者は、続きを知ることに意味はなく、続きは自分の頭の中にあるようなことを言い、作者を説得するのは無理である旨を伝えます。

この小説の作者「水名川泉」の行方を探し始めた実藤に、一つの悲しい出来事が起こります。親しかったというには余りに小さな出来事があった女性の死でした。これが、水名川泉との関わり合いで重要なファクターになっていきます。

実藤は、忙しい業務の合間を縫って、水名川泉捜索に全力を挙げます。水名川泉はすでに結婚していたのですが、その夫が水名川泉の行方を捜している事実にぶつかります。

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そして、東北に芽生えている新興宗教の中に、水名川泉の足取りを掴みかけますが、実際、そこに乗り込んでみると、まるで違う教祖に出会うことで愕然としてしまいます。

その他にも、伝手を辿ったり、大御所作家の過去に水名川泉との接触をつかみ、いろいろな手を使って彼女との出会いを求める実藤の奮闘が語られていきます。

その中に、東北地方の厳しい自然環境や、寒村にある悲しい現実がちりばめられています。

最終的に、水名川泉に出会った実藤が、何とか小説の執筆をさせようとする後半に続いていきますが、普通の人には見えないものが見えてしまう宿命を負った、悲しくて苦しい現実も見えてきます。

是非、ご一読ください。

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