いつもの舞台で安定した物語が心地よい、フレーズが少し変わった?陰陽師 女蛇ノ巻 夢枕獏/著

シェアする

Pocket

1.概要

ご存知、夢枕獏の陰陽師の最新刊です。平安時代の陰陽師・安倍晴明が源博雅の酒を飲みかわしつつ、数々の怪事件を解決していく連作小説です。

今回も、このふたりが酒を酌み交わしています。そこに、準レギュラーである芦屋道満や黒猫又に乗ってやって来る賀茂保憲、虫愛づる姫君の露子などが脇を固め、12の物語で楽しませてくれます。

とにかく、この小説を読んでいると、その世界の安定感に癒されますね。安心して読んでいけます。

内容説明です。

毎夜あらわれては、少納言の右手ばかりを噛む女の正体とは。稀代の陰陽師・安倍晴明と、笛の名手・源博雅の名コンビが都の怪異を解き明かす大人気シリーズ。

2.決まり文句

この小説の決まり文句は次のものですね。

「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになったのであった!

なんか違和感があるので過去の作品を見てみたんですが、最後の言葉が違っていますね。

「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。

うーん、何故、今回の作品は違うのだろうか?

ですが、今回の数編は、このフレーズが出てこないものがあります。著者の夢枕獏氏が、パターンはパターンとして残しておき、新たな挑戦をしているんですかね。

陰陽師に慣れ親しんでいる60爺からすると、このフレーズが出てこないと、ちょっと違和感を感じたりしてしまいます。

今回の巻では、事件が起きない短い物語もあり、また、芦屋道満しか出てこない小説もありで、それぞれに楽しませてくれます。

最近の芦屋道満は、齢を取ったのか晴明と張り合うのは止めて、お酒を飲みに来る好々爺になっちゃってます。賀茂保憲も面倒事が起きると、思い出したように登場し、晴明にげたを預けていきますね。

陰陽師 女蛇ノ巻

新品価格
¥1,566から
(2019/4/26 15:10時点)

3.後書きを読んで

最後の小説発表の履歴を見ると、2ヶ月に1篇のペースで書いておりますが、途中大きく抜けることがあります。

作者もそれ相応に齢を取ってきたこともあり、若い頃のペースではもう書けないと言っておりますが、無理をすることなく書き続けていただくとうれしいですね。

この著者の作品は好きで、かなり読み込んでいますが、面白さは全く衰えていないと感じます。小説を読めば、読者を喜ばせようとしてくれるのがわかります。

しかも、自分の持っている小説を生涯の間にきちんと完結させようと頑張っていることが、小説等の後書きを見ると良くわかります。

キマイラや餓狼伝など、先が見えてきていますが、是非、その小説の持っているパワーを減ずることなく完結させていただくようお願いしたいと思います。

今回取り上げた陰陽師という小説は、無理やり完結する必要もないものですので、是非是非、ずーーーと書き続けてほしいものです。

是非、ご一読を。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする