内容紹介では軽く書かれている部分が第二部の肝です!その先の道に消える 中村文則/著

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この方の小説初めて読みました。著者は、過去に芥川賞や数々の賞を受賞成されておりますね。

  • 2002年「銃」:第34回新潮新人賞
  • 2004年『遮光』:第26回野間文芸新人賞
  • 2005年『土の中の子供』:第133回芥川龍之介賞
  • 2010年『掏摸<スリ>』:第4回大江健三郎賞

今回は、ひとことで言ってしまえば刑事ものですね。殺人事件が発生し、その犯人を追い求めていくわけですが、その過程で様々なエピソードが発生します。内容紹介は以下です。

アパートの一室で見つかったある緊縛師の死体。重要な参考人・桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれている女性だった。疑惑を逸らすため、証拠を偽装する富樫。全てを見破ろうとする同僚の葉山。やがて驚愕の手記が見つかり…。

ここに、緊縛師とありますように、その手の傾向のある異常な(異常と言ってしまって良いのか?自分が正常な場合使うわけですが・・)人間が多数登場します。そして、その世界に浸かった人々の生態が生々しく語られています。

この小説を貫いているのは、何と言いますか狂気の世界ではないでしょうか?小説の中で、「自分は正常と思っているが実態は・・・」なんてことが言われていますが、自身が正常として考えると、やはり「狂気」という表現が出てくると思います。

60爺は、この内容紹介から、証拠を偽装する刑事・富樫と同僚の葉山が丁々発止とやりあう展開を想像していました。しかし、実際に小説を読むと、この点に関しては、ちょっとビックリすると言うか、裏切られる展開になり驚かせられます。

物語は、第一部と第二部に分かれています。

第一部は、作品紹介にある通りの展開(狂気に支配された刑事・富樫が証拠を偽装してしまい、それを不審に思った同僚の刑事・葉山が追い詰めていく)となります。

第二部は、警察の中で、第一部で起きる犯罪が握りつぶされる状況となっている場面から始まります。それを良しとしない上層部のある人間が、捜査継続を葉山に託すところがプロローグとなります。

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そして、この刑事・葉山は、ものの見事に殺人者をさらけ出していきます。その流れが描かれますが、その中で、内容紹介に記された「驚愕の手記」すなわち、「狂気の独白」が第二部の三分の一強を占めています。

この「驚愕の手記」ですが、上記で「狂気の独白」と言っているように、ある男の取憑かれた妄想と言いますか、何と言うか異常な世界を告白している文章です。刑事小説の中の異質な感じの文章の塊ですね。

刑事小説を意識していたので、読後は、ちょっと違う世界を読んだ感じと感じています。

皆さんもご一読して、考えてみてください。

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