身をつまされる物語です!光秀曜変 岩井 三四二/著

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1.概要

この小説では、本能寺の変の原因をここに持ってきたか、なるほどと思いました。当時の光秀は、既に60爺の年齢を越えていたんですね。

そうであれば、戦国の栄養事情も良くない時代、若い頃から無理に無理を重ねた男たちに、そういう結果があっても仕方ないと思えますし、切実なものを感じます。

主である信長も、本能寺の変では 50 になる本当に寸前のところでしたから。彼にこき使われていた当時生き残っていた信長軍団の幹部たち(羽柴秀吉、柴田勝家、滝川一益、丹羽長秀)も結構いい齢だったんですね。

もし、光秀が謀反を起こさなかったとしたら、歴史が変わっていたら彼らの運命はどうなっていたんでしょうか?宿老であった佐久間信盛や林貞秀らのように、「狡兎死して走狗烹らる」となっていたのでしょうか?

内容紹介です。

光秀を蝕んでいたのは何か? 謀叛の謎が哀切と変わる巨編誕生!
家臣に愛され、家族を大切にした文武両道の強者、光秀は何故信長を討ったのか? 『難儀でござる』でブレイクし秀作を発表し続ける著者が歴史を狂わせた男の謎を活写。新境地、渾身の歴史小説!

2.内容少々

本能寺の変の前(数年前)、後(11日以降)と順繰りに出来事を描写しながら、光秀やその時代に関わった武将たちの生きざまを見せる方式を取っています。

この小説を読んでいると、「修羅の都」を髣髴させるものがあります。また、晩年のぼけ老人と化した秀吉の姿がだぶります。

えてして、権力者たちに「老い」が見えた時、自らの進退をどのように処していくのか?非常に難しい問題です。現代日本でも、いつまで経っても更新に身を譲れない人間が多くいます。

特に、現代のような平和な時代ならまだしも、喰うか喰われるかの時代に生きた先人たちは大変だったろうと思います。

信長のような主人を持った光秀などは特に大変だったでしょう。60爺なぞも、現段階で週2,3日の出勤ですがヒイヒイ言っています。

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それなのに、今日はあっち、明日はこっち、今まで預けていた所領は没収で、今は敵地だろうけど、自分で奪ったらそこをあげるなんて言われて働かされるのは非常に厳しいことだったでしょう。

齢を取ると、それなりに安穏の暮らしを求めていくのが人間であろうと思いますが、それを許さなかったばかりに大事件が起きてしまうのですね。

あれほど賢い英雄の信長さえ、そこまで至らなかったんですから、我々凡人なぞは、つくづく身を処していかねばならないと考えた次第です。

是非、ご一読を。

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