読んでいて落ち着かなくなる怖い連作小説!殺人鬼がもう一人 若竹七海

1.概要

本小説は、警察小説なのかなと思いましたが、それぞれの作品にちょっと恐ろしいスパイスが効いていてゾッとしました。

この方の小説は初めてなのですが、wifiの作風に、「一貫して人の心の中に潜む悪意を描いているところに特徴がある」とありました。その通りだと思います。

この小説は、先ほども言いましたが警察小説に分類していいと思います。主人公が同じ連作小説となっています。

主人公は女性警察官である砂井三琴です。しかし、彼女は、この小説にあるすべての作品の主人公ではありません。

1、2作目は、彼らが主人公の作品ですが、3作目からは、視点も変わり、彼らは登場する物のお話の主人公は別に存在します。

作品紹介です。

20年ほど前に〈ハッピーデー・キラー〉と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もなかったのどかな町で放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町の重要人物がひったくりにあうという大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが……。

2.内容ちょっぴり

この舞台となっているのは、のどかな街辛夷ヶ丘市です。ここの警察署は、「吹きだまりで寄せ集めの警察署」と呼ばれるものです。そして、主人公の砂井三琴、読んでいけばわかりますが、ダークヒロインと読んで差支えないでしょう。

作品で出てくる面々が、みんなダークなんですよ!冒頭で言いましたが、この本を読んでいると何か恐くなってきますね。

この小説は、読んでいてスカッとはしませんが、決して読後感は悪くないです。良い人が出てこないからですかね。

この本の表題「殺人鬼がもう一人」どころではなくて、作品すべてに殺人鬼が潜んでいる感じです。

殺人鬼がもう一人

警察官である三琴も単純な正義の味方ではなく、悪人を使って世の中をうまく渡っていく感があります。

しかし、こんな田舎町があったら、本当に怖いですね。誰も見方じゃなくて、みんな悪い奴ばっかり。それを取り締まるべき警察も上から下まで馬鹿ばっかで・・・。悪人は済みやすい街なのかもしれません。

それでも読んでいて面白い小説です。

是非、ご一読して、毒を食らってください。