内陸の湖に信じられないような巨大な鮫が現れる!ブル・シャーク 雪富千晶紀/著

1.概要

不二宮市という架空の街にある湖にサメがいるということで、同じ時期にトライアスロンの大会を予定している市役所の職員が巻き込まれていくパニック小説です。

舞台は不二宮市の木常湖です。富士がよく見えるとの設定ですので、実在の富士宮市をモデルにしているのでしょう。そうなると、木常湖は本栖湖のイメージですね。

物語の中でも、「近くの湖とは昔は一つの湖だった」旨の説明があり、これは、本栖湖、西湖、精進湖が平安時代初期まで?の海と呼ばれた一つの湖だったという話と一致してい ます。また、西湖や精進湖とは透水性が高いスコリア層などを通して地下水が行き来しているという設定も同じですね。

前述のトライアスロン大会の責任者である矢代が、湖畔でキャンプをしている海洋生物学者の渋川まりに「湖にサメがいる」と聞かされ、さらに、同僚だった関の失踪、湖畔にキャンプを張っていた男女の失踪により、疑心暗鬼を募らせていきます。

一方、物語では、夜半に怖い生物が暗躍し、男女が喰われてしまうシーンが現れます。

さて、トライアスロン大会とサメの邂逅があるのかという観点で、小説は後半に差し掛かっていきます。

内容紹介です。

不二宮市職員の矢代は、開催が迫った来常湖トライアスロン大会に向けて奔走していた。そんななか水質の異常に気づいた同期の関が失踪してしまう。関を探す矢代は、海洋生物学者の渋川まりに「湖にサメがいる」と聞かされ…。驚愕必至の本格サメ小説。

2.内容ちょっぴり

プロローグで、漁船が謎の海洋生物により、なすすべ苦も無く重大事故に巻き込まれそうになるくだりが描かれます。

この生物はとても巨大で、プロローグで何人もの被害が出るのかーーーと思っていましたが、そこまではいかず、ほっとしました。

それからは、周辺に住む「亀」の話や、渋川が湖畔でサメを捜そうとしている過程が語られます。

そして、水道局の関が水質汚染の原因を探ろうとした矢先に失踪した事件が発生します。車が湖畔に置かれたまま、かき消えたように姿を消してしまうのです。

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自分の意志で消えたとは思えない状況であり、喰われちゃったんだという伏線になっています。

さらに、湖畔の男女は、「水に入ってはいけない」という市職員の言葉に逆らい、夜に湖に入り、謎の生物に襲われ、二人とも犠牲になってしまいます。

女性の上半身は浮島に残るのですが、馬鹿な記者のせいで、その記者共に怪物の腹に収まり、決定的な証拠になりません。

渋川は、プロローグで出てきた巨大生物の謎を探る大学の教授、漁船の船員とともに、海洋生物の巨大化の原因を探っていき、まさに、その証拠を握ったというとき、物語は最高潮に達します。

トライアスロン大会が始まった時、それは目覚め、獲物たちの騒ぎの中に忽然と姿を現します。

このパニック小説では、人間の自己中な考えで、防げるものも防げない姿があらわになります。愚かな人間のおかげで大惨事が起きますが、皆さんの目でご確認ください。

是非、ご一読を。