最後まであきらめない主人公たちの活躍に感動!生存者ゼロ 安生正/著

1.概要

『このミステリーがすごい』大賞関係の小説が続きます。

第11回『このミステリーがすごい』大賞に選出された小説です。大賞受賞時の題名は「下弦の刻印」でした。

陸上自衛官の廻田三佐と感染症学者の富樫が主人公ですね。

序章で富樫の悲劇が語られ、第一章で、廻田三佐が北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で遭遇した職員全員死亡の事件に、富樫が絡む場面が出てきます。

さらに、富樫は、同僚の鹿瀬の罠にはめられ、国立感染症研究所から放逐されてしまいます。

しかし、感染が収まったと思われたウイルスの脅威は静かに潜行していたのです。

内容紹介(ブックデータベース)です。

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた―。未曾有の危機に立ち向かう!壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描く、第11回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

2.内容ちょっぴり

この年の『このミス』大賞最終候補作は粒よりだったという選考委員が複数いたように、良作が多かったようです。

その中で大賞を受賞した作品ですから大変面白いです。作中のどんでん返しをお楽しみください。

上述した北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地での事件は、ウイルスによる突然死を思わせるものでした。一方の主人公である廻田三佐は、良かれと思った介添えで、素晴らしい部下を失ってしまいます。

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この悔恨のさなか、収まっていたウイルスと思われる大量死が北海道内で再発します。何の因果か、廻田三佐は、再び、その対応に当たる渦中に放り込まれます。

そして、鹿瀬の罠にはめられ身を持ち崩した富樫を無理やり同行させ、その対応に当たるのです。

この小説の中では、どうしようもない政府首脳が登場し、未曽有の災害が助長してしまうさまが、思う存分描かれていきます。

自分たちの身を守ることだけ考え、国民をないがしろにするみっともない姿をさらします。そして、とんでもない決断を下す腐った政治家たち・・・。

その絶望的な状況の中で、廻田三佐は合流した弓削博士らと善後策を検討し、そして、新たな原因が策定され、これをやり遂げる姿に感動させられます。

是非、ご一読を。