密教と信長配下の忍者の闘い!高野山 山本音也著

1.概要

高野山は、平安時代の弘仁7年(816年)に嵯峨天皇から空海(弘法大師)が下賜され、修禅の道場として開いた日本仏教における聖地の1つです。

この高野山に、信長に謀反した明智光秀の墓があります。この「明智光秀」の墓石は割れたままになっているそうです。なず、高野山に明智光秀の墓があるのでしょうか?

この小説は、このことをベースに書かれたものと思われます。

天正八年、高野山大門がノブナガ配下「黒母衣衆」により火をつけられ炎上します。

高野の客僧・木食応其は、高野山が比叡山の二の舞になるのを避けるべく、密教秘術を使いこなす修験者ナビキらにノブナガ軍との戦いの準備を始めさせます。

何故、織田信長がカタカナで表記されているのかはわかりません。他にも、明智光秀、豊臣秀吉も、ミツヒデ、ヒデヨシとカタカナで現れていきます。

さらに、この小説の中で、折檻状をつきつけられ、織田家筆頭家老の座を追われた佐久間信盛の話も、かなりの量を割いて語られます。

内容紹介です。

天正八年、高野山大門炎上。火をつけたのはノブナガ配下の「黒母衣衆」だった。高野客僧・木食応其は、比叡山の焼き討ちを想起させる事態を前に、密教秘術を使いこなす修験者のナビキらに戦の準備を命じる。さらにノブナガの重臣・ミツヒデが主君への不信を募らせていることを知り…。

2.内容ちょっぴり

この小説も、2020年大河ドラマ「麒麟が来る」に触発されたのか明智光秀物です。

本能寺の変の発端となった明智光秀の謀反には謎が多く、その本当の動機はいまだに明らかになっておりません。この小説の作者は、高野山を軸において、その謎を明らかにしようとしています。

高野山は密教の聖地ですから、密教を修業した手練れが多く登場します。この小説の中でも、多くの修験者が出てきますが、男だけでなく女の修験者も活躍します。

高野山は、当時のいわゆる下人であっても、その身を置くことを許され、大いに繁盛したことが描かれます。高野山のある場所を考えた時、それは大変な苦労が伴ったでしょう。

高野山

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織田信長は、人使いの荒い大将だったことは、過去の小説などを読むと明らかです。そして、重要な場面で何度か有力な配下に背かれてもいます。

信長の強運と、運命を切り開く強い意志によって、それらはことごとく解消されていったわけですが、最後の最後に一番引き立てた明智光秀により、その一生は終わります。

その過程を明智光秀、豊臣秀吉を操ることで実現した高野山の僧・木食の動きと、配下の修験者、信長は以下の黒母衣衆の闘いを通して語ります。

先に挙げた佐久間信盛の変貌ぶりも、この小説のひとつの狙いではないかと思います。

是非、ご一読を。