二作目も面白いこと保証します。出羽新庄藩火消しぼろ鳶組の活躍 夜哭烏 今村翔吾著

1.概要

江戸時代の火消しを主人公に据えた時代小説の第二弾です。

こちらも、前作に劣らず滅法面白い小説になっています。是非、手に取って読んでいただけると良いです。

主人公は松永源吾と羽州ぼろ鳶組の面々です。松永源吾は、すっかり出羽新庄藩に溶け込んでおり、序章では、妻の深雪を連れて国元に帰って、国元の消防状況を確認しているという設定になっています。

また、先生と呼ばれる加持星十郎も、長谷川平蔵(鬼平の父)に請われ京都に行っている設定です。

そういうわけで、50ページあたりまでは松永源吾は登場せず、成長著しい羽州ぼろ鳶組頭取並鳥越新之助が火事場に繰り出し、彦弥や寅次郎達ぼろ鳶組の仲間たちで火事の消火に当たるさまが描かれます。

ぼろ鳶や加賀鳶の火事場での活躍が語られますが、第一章で、今回のテーマとなる謎が現れてきます。

内容紹介です。

「八咫烏」の異名を取り、江戸一番の火消加賀鳶を率いる大音勘九郎を非道な罠が襲う。身内を攫い、出動を妨害、被害の拡大を狙う何者かに標的にされたのだ。家族を諦めようとする勘九郎に対し、「火喰鳥」松永源吾率いる羽州「ぼろ鳶」組は、大音一家を救い、卑劣な敵を止めるため、果敢に出張るが…。業火を前に命を張った男たちの団結。手に汗握る傑作時代小説。

2.内容ちょっぴり

前作は短編の連作小説でしたが、今回は一つの事件を解決する長編となっています。上述した謎というか手口が非常に卑劣で、それだけに解決に向かう場面は、大変わくわくさせてくれて、後半は一気読みしてしまいました。

そして、相変わらずしまり屋の深雪と新之助の掛け合いも健在です。

今回は、前回のように火消しを邪魔する身内はおらず、そのかわり、出るべき火消しが自分のことしか考えないようになっていってしまう悪循環が描かれています。

新たに、登場するキャラクターもおり、小説の面白さに一役買っています。

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そして、長谷川平蔵に代わる火付け盗賊改め方は、長谷川平蔵のように協力的ではなく、秘密主義ですが無能です。

老中の座にある田沼意次も重大な場面で何度か登場し、松永源吾らを応援してくれます

後半は、卑劣な罠を吹き飛ばす場面や、おなじみの火事場の奮闘や、あっと驚く仕掛けも用意されており、先ほど言ったように後半はあっという間に読み切れてしまいます。

新之助の剣も見事な活躍を見せます。また、ラストもいいですよ!

是非、ご一読ください。