一流の人間の持つ魅力が語られます。読みやすいですよ。羽生善治 × AI 長岡裕也/著

1.概要

棋士:長岡裕也五段が10年以上羽生善治九段の研究会の相手(VS:ブイエス)を務めていますが、その長岡五段が羽生九段について語った内容です。

60爺も、本ブログでは、将棋のタイトルの記事や、月ごとの将棋界の結果を載せるようになって久しく、4級程度の見る将ですが、最近の将棋界は藤井七段の活躍で躍動していますね。

文章は淡々としており、VSを通して接した羽生九段の思い出話がたくさん記載されています。60爺は、語られるエピソードがほほえましくもあり、礼儀正しく各分野で活躍している羽生九段の人柄が出ているのではないかと思いました。

話は、長岡五段が羽生九段のお誘いを受けた2009年1月初頭から始まります。元旦に実家に帰省していた長岡五段のスマホに見たこともない番号の着信があり、ほっておいたところ、1月4日に再び同じ着信を受けたそうです。

その際の長岡五段の対応は、「分かりました。お願いします。ありがとうございます!」と即座にノータイムの答えだったそうです。若手のプロ棋士が羽生九段から同じ電話をもらったら、100%同じ対応をするだろうとも書かれています。

それほど、羽生九段は将棋界で際立った存在なのですね。

本省の紹介文です。

最後に頼れるのは人間の決断である。「羽生の研究パートナー」が初めて明かす、絶対王者が「アナログ」を重視する理由。

2.内容ちょっぴり

本書は4章で構成されています。

第1章 1本の電話

上述したように、元日にかかってきた電話からVSが始まるエピソードから始まります。

ここでは、将棋関係者では有名な八王子将棋倶楽部での羽生九段とのえんや、棋士を目指すために長岡五段が高校を中退したこと、竜王戦3連勝4連敗でのエピソードが語られます。

第2章 「VS」の真実

羽生九段とのVSは持ち時間20分の2番勝負であること、緊張している長岡五段に対する羽生九段のオヤジギャグ、成算がある時踏み込むことのできる「勇者」であることや、愚直な研究を積み重ねてスーパースターになったことが語られます。

羽生善治×AI

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第3章 ソフトとの10年戦争

1996年、羽生九段が将棋年間で「2015年、将棋でコンピュータが人間に勝つ日が来る」という予言が現実となり、大きな波紋を呼びました。トップ棋士の多くが人間に勝てる日は来ないと答えていたにもかかわらずです。

それでも、羽生九段はソフトを妄信することはないと、長岡九段は語っています。

第4章 人工知能時代の本質

ここでは、フラッドゲートというコンピュータソフト同士を対局させる同上の話が興味深かったです。関心のある棋士は、1日も欠かさず見ているそうですが、羽生九段は「ほとんど見ていない」そうです。

また、羽生九段の言う「自分たちにいま、できることをやるしかない」言葉が平凡なようで奥深いものだと述べています。羽生九段が、弱音や不平不満、誰かに対する批判を聞いたことがないといっていますが、これもすごいことです。

例に挙げたエピソードの他にも、一流の人間だなと思うお話がたくさん載っています。

是非、ご一読を。