初めから謎、謎、謎と進みますが、読後は爽やかです!警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官 梶永正史

1.概要

本作は、2014年第12回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作です。「このミス」大賞作は、外れがないと感じていますので読んでみました。

この物語は、文章は読みやすく、すらすら読めると思います。60爺は面白く読めました。物語は、銀座のど真ん中の銀行で銀行強盗が発生するところから始まります。動くな。床に伏せろ。手を上げろ。

主人公は、表題にもある通り、警視庁捜査二課の郷間彩香です。警部補で主任代理を務めていますが、ひどいことに、「出世と引き換えに女の幸せを捨てた」と言われています。

警察の刑事部には、捜査一課のほかに「二課」と「三課」、そして「四課」があります。 捜査一課が強行犯を扱うのに対して、捜査二課は知能犯を扱いますが、何故か上述した銀行強盗の立てこもり事件に彩香が指名されるのです。

内容紹介です。

警視庁捜査二課主任代理、郷間彩香。三十二歳、独身、彼氏なし。捜査二課で贈収賄や詐欺、横領などの知能犯罪を追う彩香は、数字に手掛かりを求めて電卓ばかり叩いているため、周囲からは“電卓女”と呼ばれている。そんな彩香に、刑事部長から特命が下った。

2.内容ちょっぴり

さて、本作なんですが、緊迫しているはずの銀行強盗立てこもりが軽い感じで面白く書かれています。緊迫感があまり感じられず、強盗犯は銀行の地下で何かをやっています。

何で、二課の彩香に犯人からの指名が下ったのかを物語を読んでいくとわかってきます。

彩香は物おじしない設定がなされていることもあり、男社会である警察の中でも、上述したように、女の幸せを捨てて出世したといわれますが、それなりに周りの認知は受けているようです。

また、彩香は、刑事部長を育ての親として育っています。今回の事件は、その刑事部長を含めた上層部に何かきな臭い感じがあることを序盤からにおわせています。

警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

新品価格
¥748から
(2020/6/17 19:03時点)

警察側では、SIT第一係の後藤警部が登場します。指揮官としての能力は高いのですが、講師として訓練にやってきた際に、彩香と一触即発の事態になったことがあります。

また、何故か警察庁からもSATの如月巡査部長を従えた吉田警視長なる人物が送り込まれており、彩香が犯人に指名された謎に新たな謎が織り込まれます。

さらに、また、主犯格の男も、銀行襲撃犯とは思われない丁寧な口利きで彩香との交渉を行います。この犯人の狙いは何なのかが非常に気になります。

このように、初めから謎は多いんですが、後半に向けてスリルは加速していきます。犯人役の登場人物に感情移入していくと、結末に驚かされ、見事などんでん返しに感心しました。

是非、ご一読を。

参考 Wiki