日露戦争で負けた東京で殺人事件を追う刑事の活躍!抵抗都市 佐々木譲/著

1.概要

久しぶりの佐々木譲の小説です。佐々木譲の刑事ものというと、北海道警察シリーズが思い浮かびますが、本小説は、世界観から何やらまで全く異なったものです。

何と言っても、日本が日露戦争に負けて、ロシアに占領されており、ロシアの駐留部隊が東京にいる前提で物語が始まっているのですから。

日本の道路が、クロパトキン通りだのロジェストヴェんスキー通りだの呼ばれているんですからやり切れません。

60爺は、ロシアが大嫌いですから、もし、日本がロシアに統治されていたらと想像するとぞっとします。今の日本はなく、国に締め付けられるような事態になっていたでしょうね。

この小説では、ロシア帝国が存命で、ロシアの皇太子が滋賀県大津市を訪れており、その皇太子が日本の巡査に切りつけられるところから物語は始まります。

同時期に、このロシア軍の駐留する東京で、身元不明の死体が見つかることから、主人公警視庁刑事課の特務巡査・新堂が、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始します。

内容紹介です。

日露戦争に「負けた」日本。終戦から11年たった大正5年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。圧巻の歴史改変警察小説。

2.内容ちょっぴり

捜査を開始直後、警視庁官房室の佐浦や統監府保安室のコルネーエフ大尉が登場し、死体の状況を観察していきます。

捜査を妨害するのかなと思っていましたが、両者ともそれはせず、分かったことは知らせるように言って引き下がります。

新堂と多和田は、不明死体の持っていたメモの断片化から捜査を開始します。メモには三名の情報があったのですが、二人目の事情聴取の際に、犯人と思われる人物と邂逅し新堂が襲われてしまいます。

また、捜査を最中も、ロシアの重爆撃機イリヤー・ムーロメンツが我が物顔で飛び回り、登場する自動車もロシア製のプロチフ(飛行機も自動車の名前も聞いたことがあっりません)です。なんか嫌な感じです。

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捜査の途中で、新堂と多和田は、彼らを監視していると思われる者たちと出会います。一日目の捜査終了後、新堂は帰宅しますが、帰宅途中に謎の人物と出会い、捜査の中止を勧告する脅しに出合います。

こんな調子で、二日目の操作が始まりますが、この後も脅しはやまず、事件の中核に向かうに連れて、いろいろな勢力が絡み合って、最後はXXXXの大事件となります。

ロシア製の新機関銃や簡単に作れる爆弾など、ロシアに絡んだものも出てきて、ハラハラさせてくれます。476ページに渡る長編ですが、面白く読めました。

是非、ご一読を。