読んでいると何か不安でザワザワする感じ!歩道橋シネマ 恩田陸

1.概要

ドミノin上海につづき、恩田陸著作の小説です。

ドミノin上海は大大長編でしたが、本作品は短編小説集です。「線路脇の家」から本小説の表題となっている「歩道橋シネマ」まで全部で18篇の作品で成り立っています。

先に読んだ「ドミノin上海」は、数々の登場人物が紆余曲折を経て、一つの場所に導かれて大団円を迎えるエンターテイメントで楽しく読めたのですが、本短編小説は、表題に書いたとおり、読んでいると何か不安でザワザワする感じがしました。

扱っている内容は、それぞれ全く違うのですが、漠然とした不安感が押し寄せてくる感じで、一気に読み込もうとするには無理がありました。

もともと、この作者はホラー系の方だと思っているのですが、この短編小説集には、その要素が存分に詰め込まれているように思います。

内容紹介です。

とあるたてこもり事件の不可解な証言を集めるうちに、戦慄の真相に辿り着いて…(「ありふれた事件」)。幼なじみのバレエダンサーとの再会を通じて才能がもたらす美と神秘と酷薄さに触れる「春の祭典」。密かに都市伝説となった歩道橋を訪れた「私」が記憶と、現実と、世界の裂け目を目撃する表題作ほか、まさにセンス・オブ・ワンダーな、小説の粋を全て詰め込んだ珠玉の一冊。

2.内容ちょっぴり

いくつか印象に残った作品についてコメントを書いてみます。

「線路脇の家」:絵の中にある家と、自分の実際の記憶の中の家がダブり、そして、その家が現実の目の前に出現したという進行で、すごく不安になりました。

「球根」:この作品も、学園を紹介してもらっていると、さりげなく非現実な出来事が目の前に展開されます。えらく怖いです。

「逍遥」:デジャブ感を感じた作品。後書きを読んだら、記憶違いではなかったのでホッとしました。

「あまりりす」:言っちゃいけない事柄をしゃべると・・・。おっかねー話です。

「コボレヒ」:2ページの短編ですが、たったこれだけでも面白い話にできるんですね。

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「悪い春」:何か現実の日本と重なりそうで不安になってしまう話ですね。

「風鈴」:この話もゾッとさせられます。実際、こういう体験をされる方もいらっしゃると思います。そして、そういう時は、身近に必ず…。

「トワイライト」:世界が闇に覆われ、もう自分一人しか現実に残っていないはずなのに、外を覗いてみると・・・。何とそこには?

「楽譜を売る男」:人は他人を理解できない典型的な例が物語になっています。面白い小説でした。

「降っても晴れても」:日傘をさした男が死亡するが、その謎ときをするお話です。作家さんはすごい。

「ありふれた事件」:このお話も最後がとてつもなく怖いです!