後半のドローン追跡事件は面白い!ドローンスクランブル 未須本有生/著

1.概要

2014年「推定脅威」で第21回松本清張賞を受賞した著者のドローンを扱った小説です。

ドローンが使用された脅威を描く小説と思って手に取りましたが、防衛省におけるドローンの開発に関する小説ですね。

後から見ると、帯には「防衛省VS大企業VSベンチャー。ドローンをめぐる熾烈な駆け引き」とありました^^;

冒頭での防衛省に謎のドローンが現れる・・というくだりは良く期待しましたが、それ以降は開発の場面の描写が続きました。

以降は、大分専門的な記述がありましたが、ドローンも好きですし、飛ぶ原理もそれなりに知っていましたので、それなりに面白く読むことが出来ました。

ラストの方で防衛省を挑発する騒動が起き、それに対応する技術者や空幕の自衛隊隊員の活躍が見られます。小説なので、こちらの事件をもう少し、膨らませてもらえると、もっと面白くなったのではと思えます。

内容紹介です。

マルチコプタードローンについて、防衛省の試験研究が始まった。メーカー側に提示された目標スペックはシビアなものだったが、フリーランスのデザイナー倉崎が、画期的なアイデアを思いつく。防衛省VS大企業VSベンチャー。ドローンをめぐる熾烈な駆け引き。果たして、最後に笑うのは?航空機を知り尽くした著者が驚愕のリアリティで描く、ドローン小説の決定版!

2.内容ちょっぴり

上述しましたが、プロローグにおいて防衛省の上空に謎の飛行隊が飛翔することで、この小説は始まります。

この後、場面は切り替わり本小説の登場人物となる面々の近況から物語が進みます。

まず、三友重工の技術者・内山田、態度のでかい男で出社早々、上司から社長の希望だということで、意に染まない仕事を強制されます。

次に登場するのは、ドローン製作のベンチャーを立ち上げた在原と、航空機メーカー基山製作所の技術者緒方です。ドローンに興味を持った緒方が、在原に問い合わせをするシーンがあります。

ここで在原は、ドローンを航空自衛隊の偵察目的に提供できないかと考え、手管をたどって防衛省に入り込もうとしますが、余りやる気のない官僚の対応になかなか前に進むことはできません。

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そして、四星工業の永田と沢本が登場し、練習機TF-1の更なる提案について述べられます。

この後、オズプレイが採用しているティルトローターに関する調査が三友重工の上層部の思い付きから始められ、上記三社を巻き込んだ共同プロジェクトに発展していきます。

この中で、四星工業を退職した倉崎も登場し、ひょんなことから始まった共同プロジェクトが順調に進んでいきます。

そして、プロローグで語られた事件へと繋がっていきます。

航空自衛隊のテストパイロットや、空幕の中の使える人間とやる気がないがプライドの長い人間が登場するなど、人間関係も複雑です。

開発の際の苦心の描写が長かったですが、後半のドローン事件をもっと厚くしてくれると、もっと面白くなったのではないかなど勝手なことを考えました。

是非、ご一読を。