事件の被告人の名前に仰天!最後の証人 柚月裕子/著

1.概要

柚月裕子の佐方貞人(さかたさだと)シリーズの第一作に当たります。佐方貞人シリーズについては、前回「検事の死命」でも記しましたが再掲します。

刑事事件を専門に扱う敏腕弁護士で元検察官の佐方貞人が事件の真相を追う柚月裕子の推理小説のシリーズ。

60爺は、初めて佐方貞人が弁護士の物語を読みました。

この小説では、佐方は東京で弁護士事務所を開きましたが、被告人を弁護するために検事を務めていた米崎市へ出張しています。

米崎市は、熱血検事だった頃、佐方が通っていた居酒屋「ふくろう」があって、久しぶりに訪れた佐方に、居酒屋のおやじが昔好きだった酒を出し、「まだ、ぼけてねえよ」と言う場面があります。

また、そこに、昔上司だった筒井も姿を見せ、「明日出るのは俺の部下だ」と言います。それに対し、佐方は「誰が出ようが関係ない。俺は犯した罪をまっとうに裁かせるだけだ」と昔からのセリフを返します。

この小説で、佐方と、それまで実にうまくいっていた上司の筒井の間に何があったか、そして、佐方が何故、検察を辞めたのか、その真相が明かされます。

この小説は、6年前にある事件が起きるのですが、その事件で苦しむ被害者がどんな行動をし、そして、そこに登場した人物が実際の裁判に絡んでいくさまが平行に描かれていきます。

内容紹介です。

元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンス状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張だ。そんな彼の許に舞い込んだのは、する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。

2.内容ちょっぴり

今回、佐方が引き受けたのは、内容紹介にある通りの実に難しい弁護でした。しかし、佐方は、この事件の裏に、とんでもない事情があることを見抜き、被告人の弁護を引き受けたのでした。

上記で、6年前に起きた事件が、今回の裁判に直結している旨記しましたが、この事件は、とても嫌な事件です。佐方の嫌う警察と検察が癒着し、事件のもみ消しを図るものでした。

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しかし、そんなことは誰も知る由はなく、その事件の被害者は非常に傷つき、この事件が風化する直前に、神の導きなのか、再び、動き出します。

そこには、非常に悲しい出来事も起こっており、そのせいもあり、被害者たちは同士的な結びつきにより、計画を実行していきます。

そして、事件は起こります。そして、その被告人の名にまず驚かされるでしょう。

佐方は依頼された事件の被告人が、ありえない申告をしていることに興味を持ち、この弁護を引き受けます。

持ち前の機動力を発揮し、6年前の事件を見出し、その関係者を洗い出すことで裁判をひっくり返す動きをしていきます。

最後の最後に、その思いは通り、感動のフィナーレとなります。

それにしても、こんなやるせない事件が起こるものでしょうか?その事件の際、佐方の言うように「まっとうな裁き」がなされていれば、起こらないはずだった事件です。

ぜひ、ご一読を。