第一話が一番怖かった!火のないところに煙は 芦沢 央/著

1.概要

ホラー小説は元来苦手で余り読まないのですが、この方の小説は面白いと聞きまして手に取りました。

この小説の中の語り部である作家の「私」は著者の芦沢氏なのでしょうか?また、作中のお話は実話をもとにしているのでしょうか?

物語は「私」が怪談特集の依頼を受けるところから始まります。「私」は怪談など書いたことが無かったので断ろうとしますが、過去に神楽坂を舞台とした凄惨な経験から、その体験談を振り返ることとなります。

自分の中に封印し、逃げ続けてきた過去の出来事の記憶、救えなかった友人について再度正面から向き合うことを決め、執筆依頼を受けると共に情報を集め出すのです。

そして、集まった話の中から執筆を進めていきますが、最後のまとめ作業をおこなっているときにそれぞれの話の繋がりに気づいてしまうのです。

内容紹介です。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。一気読み不可避、寝不足必至!!読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!

2.内容ちょっぴり

この小説は6つの短編で構成されます。

  • 第一話 染み
  • 第二話 お祓いを頼む女
  • 第三話 妄言
  • 第四話 助けてって言ったのに
  • 第五話 誰かの怪異
  • 最終話 禁忌

第一話 染み:60爺は、このお話が一番怖かったですね。上述したように、自分の記憶から消したかった過去の出来事を振り返ることに決めた「私」が体験した染みの正体を語っています。

そして、「私」は、この件に関係したオカルトライターの榊さんから聞いた「やばい人」の話を伝えなかったために起こる知り合いの死に関する悔恨も合わせて話しています。

第二話 お祓いを頼む女:「私」が知り合いから聞いた話です。てんぱっちゃっているような女性からの頼みですが、真面目にその女性の話を聞いていなかったため、人が一人亡くなっています。

ただ、こんな女性が飛び込んできたら、普通の人はまともに取り合えないと思いますが。

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第三話 妄言:オカルトライター 榊さんからの話です。隣人の持つおかしな能力により、犯罪者となってしまう人の話です。なんか理不尽で、おっかない話です。

第四話 助けてって言ったのに:ネイルサロンで働く智世さんからの話です。夫の実家で暮らし始めたところ、毎晩同じ夢でうなされ、その夢の中である怖ーーい存在が少しずつ明確になってくるという恐ろしい話です。

拝み屋の陣内さんが登場します。その怖ーーい存在について、智世さんと相性がいいだけで引っ越して家との縁を断ち切れば良いというんですが、人間の愚かさにより智世さんが犠牲になってしまいます。

第五話 誰かの怪異:大学に通う岩永幹男さんからの話です。良い部屋が借りれたと思っていたのが、風呂に女性の長い髪が落ちていたり、鏡の端に女子高生らしき姿が映ったりする怪異に悩まされます。

そして、友達から紹介された素人の自称能力者による鑑定の結果、隣人を巻き込んだ新たな怪異が起こります。

最終話 禁忌:五つの話の共通点を見つけておののく「私」のお話です。皆さんでご確認ください。

是非、ご一読を。