検事の暴挙に果敢に立ち向かう!焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕 今野敏/著

1.概要

今野敏のによる日本の警察小説・樋口顕シリーズ第六作です。表題にあるように、警視庁強行犯の係長である樋口晃が主人公です。

現在は、警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査第三係樋口班に属しています。階級は警部ですね。

プロローグは、久しぶりに氏家から連絡を受けた樋口が、氏家と落合い、異動の話を聞くところから始まります。そして、後日、氏家を訪ねた樋口が、二課にやってきていた東京地検特捜部の検事を見かけるのです。

樋口の捜査一課でのあだ名は「ヒグっちゃん」で、レギュラーで管理官である天童との接触も語られます。また、家庭内(妻の恵子と娘の照美)についても、選挙の件でさりげなく触れられています。

そして、お約束の殺人事件が発生します。投資ファンド会社の社長が被害者なのですが、設置された特捜本部に何故なのか東京地検特捜部の検事二人が現れ、捜査本部に参加し、信じられないような暴挙をしでかすのです。

内容紹介です。

東京都世田谷区の住宅街で投資ファンド会社を経営する中年男性が刺殺され、捜査一課の樋口顕も現場に急行した。警視庁が特捜本部を設置すると、東京地検特捜部の検事・灰谷卓也が現れる。灰谷は野党の衆議院議員・秋葉康一を政治資金規正法違反容疑で内偵中だった。秋葉は殺された男性と大学時代から親しかったらしく、殺害現場付近の防犯カメラには秋葉の秘書が映ってもいた。それらの事実だけを理由に灰谷は秘書の身柄を拘束。樋口は証拠不充分を主張するも、灰谷は独断で逮捕に踏み切ってしまう……。自己評価が低く、上司の顔色を窺い、部下を気遣い、家族も大切にする――等身大の刑事の生き様を照らし出す人気シリーズ、最新作。

2.内容ちょっぴり

東京地検特捜部の検事灰谷と荒木は、東京五区で現職を破って当選した野党議員の秋葉康一を政治資金規正法違反容疑で挙げるべく奮闘中であることがわかります。

そして、防犯カメラの映像を特捜本部の幹部に内緒で持ち出し、そこから秋葉の秘書である亀田を割り出し、任意で出頭させた挙句、警察が亀田を犯人扱いするように仕向けるような真似をします。

さらには、刑事部長を巻き込んで、特捜本部の捜査の方向を秋葉の秘書が犯人であるかのように持っていこうとするのです。

樋口ら現場は、投資ファンド会社に脅しをかけてきた電話の音声と、過去のクレームの音声から犯人を暴こうとするのですが、検事と結託したような刑事部長は、検察の得点を得るための動きをするようになるのです。

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捜査本部には、選挙絡みなので捜査一課の田畑課長だけでなく、二課の柴原課長も参画しています。

キャリアである刑事部長は、同じくキャリアの二課の柴原課長をかわいがっているようなのですが、当然、ノンキャリの捜査一課長であるは面白くありません。

樋口らも柴原課長を刑事部長と結託して捜査に口をはさむのではないかと危惧していましたが、ある件から同じ捜査本部の一員とみなせるようになっていきます。

ついに、検事の灰谷は独断で亀田の逮捕に踏み切るとともに、居場所さえ教えない暴挙に出るのです。

樋口は、そんな彼らの動きに対して、議員である秋葉と真摯に向き合い彼の信頼を勝ち取ります。

とても面白いお話です。

是非、ご一読を。