情報部三佐が苦心の連続で戦う!ゼロの迎撃 安生正/著

1.概要

第11回『このミステリーがすごい! 』大賞『生存者ゼロ』でデビューした安生正の作品です。この物語でも、自衛隊が活躍します。

主人公は真下俊彦三等陸佐です。妻が自衛隊中央病院に入院しています。1ヶ月前、担当医から、癌で余命半年を告げられ、真下は茫然自失となります。子宮全摘の手術日、そんな真下に出頭命令が届きます。

真下は4日後、朝霞駐屯地の東部方面隊総監部へ移動が決まっていました。ところが、出頭命令プラス迎えの車まで差し向けられ、手渡された資料は自分がまとめて提出した部長提出の資料でした。

その資料には、インド軍前線基地が正体不明のテロ組織に攻撃され全滅した武力衝突について報告しています。もう一つの資料には、主要官庁への大規模なサーバーテロの発生についてまとめたものです。

防衛省に到着した真下は、有無を言わせず防衛省の主要メンバが集まった会議へと召集され、訳が分からないまま、異動が取り消されてしまいます。

そして、巨大台風が東京を直撃しかけている東京で、謎のテロ組織からの攻撃が始まるのです。

内容紹介です。

活発化した梅雨前線の影響で大雨が続く東京を、突如謎のテロ組織が攻撃する。明確な他国からの侵略と断定できないなか、政府は警察権で制圧を図るが、多数の死傷者を出す。首相はついに、自衛隊の出動を決断。しかし、精鋭部隊の第1空挺団が敵の策謀にはまり、壊滅状態に―。緊急事態に、敵の正体を追う自衛隊総合情報部所属の情報官・真下は、敵が核を持ち込んでいる情報もつかみ、奔走するが…。

2.内容ちょっぴり

謎のテロ組織となっていますが、実態は、北朝鮮の1中隊です。リーダーは、平壌防御司令部の反対さです。有能な士官ですが、両親の脱北行為により両親は日本から強制送還後惨殺され、妻と娘は収監され本人も投獄されます。

何故かしゃしゃり出てきた中国の崔中将に、妻と娘の命と引き換えに、東京へのテロ攻撃を指示されたハン大佐は、東京へのテロ攻撃を了承すると共に、腹心の部下に妻と娘の救出を依頼します。

大時化の太平洋を乗り切って東京にたどり着いたハン大佐は、いよいよテロ攻撃を開始します。

平和に慣れ切った東京は、謎の部隊の攻撃になすすべくもなく破壊されていきます。出動した警察は、重武装した相手にかなう訳もなく一掃されてしまいます。

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そして、政府内では、この攻撃に対し不毛な会議が続いていきます。特に、平時に慣れた官僚たちは、原則論を振りかざすため、なかなか指示を出すことが出来ません。

実際、この物語でも、民間の建物をどうするかとか、都民に被害を及ぼさないとかの議論がありますが、市街地が戦闘の舞台になった時、いちいち議論していては、現場の部隊はひとたまりもないでしょう。

そんな制約の中で、真下三佐は少数精鋭で闘いを開始します。しかし、自分の判断ミスで精鋭部隊が壊滅する失敗を犯してしまいます。

とても苦しい状況の中ですが、数少ない理解者に助けられ、幕僚長を味方につけ、わずか4人のチームで闘いを開始します。

後半はあっという間に読み込んでしまいました。

是非、ご一読を。