闘いの夢枕獏ワールドが堪能できます。新・餓狼伝 巻ノ五 魔拳降臨編/夢枕獏 著

1.概要

夢枕獏の描く超人達が闘う武闘小説の新刊が出ました。「新」がついて5巻目となります。今回も、超人達が闘っていますが、さらなる新キャラクターが現れます。さて、どうやって完結に向かうんでしょうか?

この新・餓狼伝ですが、巻の一から、この巻の五まで、もろ、夢枕獏の格闘の世界そのものです。この小説のあとがきで作者もこう言っています。

格闘技について世界で一番小説に書いてきた作家であると思う。一つの試合だけで、原稿用紙100枚を平気で書き、その中で、ただただ男たちが闘い続ける

今回も、この夢枕ワールドが満開です。十分に浸ってください。残念なのは、十分に浸っていると、あっという間に読み切ってしまい、次の巻が待ち遠しくなってしまう状況に陥ることです。

内容紹介です。

誰にも負けたことがなかった少年、立脇如水。大関・大破山を父に持ち、生まれながらに強かった。立脇はなぜ北辰館の門を叩くことになったのか?なぜ父を殺した葵文吾と闘っているのか?カイザー武藤、マンモス平田、姫川勉、京野京介―万博コロセウムで繰り広げられる死闘の果てに、漢たちの真実が見えてくる。この大会にあたって「闘人市場」を主催する道田薫は、松尾象山と巽真に「翁九心と闘りたくないかね」と話を持ちかけていた。そんな中、次の試合で丹波文七と闘う予定だった梅川丈次の前に、翁九心が現れた。いったい、何のために―?

2.内容ちょっぴり

今回の小説の章建てです。

  • 序章 カイザー武藤
  • 一章 拳獣合戦
  • 二章 京野京介
  • 三章 立脇如水
  • 四章 因縁の拳
  • 五章 道田薫の提案
  • 転章 翁九心

序章で、格闘中のカイザー武藤の過去が語られます。バスケットの世界で超一流だった武藤が力王山に誘われてプロレスの世界に入るまでの流れですが、さすがに夢枕獏ですね。プロレスラーの身体の出来の物凄さが、さらりと語られています。

一章では3つの闘いを見ることが出来ます。

始めは、序章で語られたカイザー武藤と猿神跳魚(さるがみとびお)-サルトビと闘っている場面から始まります。プロレスラーとして観客を沸かせたカイザーでしたが、サルトビがその1枚上を行っていたことが冷酷に語られます。

ふたつめは、序章で引退したと語られたマンモス平田が登場し、セコンドの伊達及びカイザー武藤を一蹴し、さらに試合では圧倒的な強さを示すのです。

みっつめの試合では、姫川勉とマカコの闘いを見ることが出来ます。この闘いでは、マカコは姫川の引き立て役にしかならず、あっという間に姫川の勝利となります。

二章では京野京介の強さを語る章です。

三章では立脇如水の生い立ちを語り、四章での葵文吾との闘いを語ります。この四章での闘いが夢枕獏の世界だと思います。是非、お読みになってください。

五章では、新キャラクターの名前が上がります。序章で出た猿神跳魚とマンモス平田、それに転章で語られる翁九心です。彼らは、前の巻「闘人市場」で闘う者たちであり、その強さが際立っています(翁九心の強さは転章でご覧になれます)。

とにかく面白く一気読み必死です。是非、ご一読を!