「毒島原発」の刑事時代の事件帖。毒島刑事最後の事件 中山七里/著

1.概要

中山七里著の作家刑事毒島に続く、毒舌の凄腕刑事が活躍する推理小説と言うか警察小説の第二弾です。

「登場人物はとんでもないモンスターだらけ!作家刑事毒島 中山七里著」で登場した毒島刑事が、素晴らしい推理で、犯人達を検挙したのち、彼らをぐうの音が出ないほど、けちょんけちょんにやっつけます。

第一作では、出版界に登場する勘違い野郎と言うか自己中野郎を相手に戦っていた?のですが、こちらの小説に登場する犯人たちも、負けず劣らず自己中心的な考えを持った怖い人たちです。

そして、勘違い野郎は警察の上層部にもいて、現場の迷惑を顧みず、自分の点数稼ぎを優先する管理官が登場するのです。

毒島は相変わらず、直接の上司にも煙たがられるような人員ですが、刑事としての実績は十分で、その毒舌は周りから敬遠されていますが、本人は全く意に関しません。

直接の上司である麻生や若手の犬養刑事をいいように使って犯人を追い詰めていきます。

また、上述の勘違い管理官も、一を話せば十も反論が返ってくる毒島にはお手上げのようです。

毒島の綽名が「毒島原発」っていうのも笑えました。

内容紹介です(「BOOK」データベースより)。

刑事・毒島は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世には興味がない。一を話せば二十を返す饒舌で、仲間内でも煙たがられている。そんな異色の名刑事が、今日も巧みな心理戦で犯人を追い詰める。大手町の連続殺人、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃…。捜査の中で見え隠れする“教授”とは一体何者なのか?動機は怨恨か、享楽か?かつてない強敵との勝負の行方は―。どんでん返しの帝王が送る、ノンストップミステリ!

2.内容ちょっぴり

本小説は、5つの連絡小説で成り立っています。

  • 不倶戴天
  • 伏流鳳雛
  • 優勝劣敗
  • 奸佞邪知
  • 自業自得

5つのお話の題名が全て4文字熟語になっています。

「不倶戴天」は大手町の連続殺人事件です。管理官は、話を大きくしてテロだなんて騒ぎますが、冷静な毒島は犯人を罠にかけ、あっさりと御用にしました。ここで、始めて、「教授」なる人物像が浮かび上がります。

「伏流鳳雛」は出版社の連続爆破事件です。またまた勘違い野郎が毒島の語りに堕ちてありゃりゃ・・になってしまいます。この事件でも、「教授」の関わりが見え隠れします。

「優勝劣敗」は女性を狙った硫酸攻撃事件で、これも連続で犯行が起きます。犯人は、意外なところに隠れていました。

「奸佞邪知」は刑事コロンボ風に犯人の行動から話が進んでいきます。子供の敵討ちに見えた犯行ですが、どんでん返しがあります。

「自業自得」は、前作の犯人検挙と「教授」の正体が明らかになるまでです。

中山七里は多作ですが、面白い小説を次々に提供してくれます。これからの活躍を期待しましょう。

なお、本作は、時間的に言うと、前作の続きではなく毒島が作家になる前のお話です。即ち、前作が、本作の後のお話になりますね。

是非、ご一読を。