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読後、いくつかウーンと思う部分が・・・。信長死すべし 山本兼一

1.概要 いわゆる本能寺の変をテーマにした小説です。内容紹介にある通り、皇室が明智光秀を唆(そそのか)して変を起こさせるという設定です。 本能寺の変については、過去に様々な作品が書かれております。それというのも、その原因が明確になっていないからで、それが作家の想像力を刺激するのでしょう。 色々な原因が挙げられていますが、今回の作品にある皇室(正親町帝)が密勅を下したという設定も、過去に挙げられた原 […]

読んでいると何か不安でザワザワする感じ!歩道橋シネマ 恩田陸

1.概要 ドミノin上海につづき、恩田陸著作の小説です。 ドミノin上海は大大長編でしたが、本作品は短編小説集です。「線路脇の家」から本小説の表題となっている「歩道橋シネマ」まで全部で18篇の作品で成り立っています。 先に読んだ「ドミノin上海」は、数々の登場人物が紆余曲折を経て、一つの場所に導かれて大団円を迎えるエンターテイメントで楽しく読めたのですが、本短編小説は、表題に書いたとおり、読んでい […]

登場人物が多数登場で最後までノンストップ ドミノin上海 恩田陸/著

1.概要 「蜜蜂と遠雷」で直木賞を獲得した恩田陸の大長編小説です。「小説 野生時代」に「ドミノⅡ」のタイトルで掲載されたものに加筆・修正した作品です。 初掲載が2008年11月号ですから何と12年前ですね。そこから、2019年10月号まで12年30号に掲載されて、今回単行本化されました。 実は、2001年に「ドミノ」という作品が発表されており、本編はその続編に当たるそうです。60爺は、読了した後、 […]

検事の責務は、罪をまっとうに裁かせること!検事の信義 柚月裕子/著

1.概要 柚月裕子の佐方貞人シリーズは、第1作『最後の証人』から始まる柚月裕子さんの小説シリーズで、カテゴリーとしては刑事ミステリーとなるそうです。本作は、シリーズ4作目ですが、60爺は、このシリーズはは込めて目を通します。 この小説は、短編の連作小説で、どうやら佐方貞人の検事の時代を扱っているようです。 米崎県検事の佐方貞人は、米崎地検後半部に属する検事ですが、表題にあるように「検事の責務は、罪 […]

氏康の少年時代と氏綱の苦闘!北条氏康 二世継承篇/富樫林太郎 著

1.概要 富樫林太郎の新たな「北条サーガ」(あとがきで著者が語っています)の始まりです。「早雲の軍配者」から始まり、「信玄の軍配者」、「謙信の軍配者」と続き、「北条早雲」5巻に続く物語です。早雲死後の物語ですね。 さて、北条氏康は、歴史好きな方はお判りになると思いますが、戦国大名である後北条家3代目の当主です。それなのに、今回の小説の副題は、二世継承篇となっています。手に取った時から、副題に対して […]

心温まる物語、行助と好みの未来に幸あれ!静かな雨 宮下奈都/著

1.概要 「羊と鋼の森」の著者である宮下奈都の作品です。60爺は、この作品の感想で、「静かな空間で語られる若手ピアノ調律師の成長の物語!」と述べました。 こちらは、鯛焼き屋のこのみと彼女に寄り添い共に暮らす障害を持った主人公行助の物語です。この物語も、「羊と鋼の森」と同様に、「静かな空間で語られる」ものです。全編を「ほんわかとした」感じで流れています。 本当に優しい優しいお話です。物語が淡々と進ん […]

日露戦争で負けた東京で殺人事件を追う刑事の活躍!抵抗都市 佐々木譲/著

1.概要 久しぶりの佐々木譲の小説です。佐々木譲の刑事ものというと、北海道警察シリーズが思い浮かびますが、本小説は、世界観から何やらまで全く異なったものです。 何と言っても、日本が日露戦争に負けて、ロシアに占領されており、ロシアの駐留部隊が東京にいる前提で物語が始まっているのですから。 日本の道路が、クロパトキン通りだのロジェストヴェんスキー通りだの呼ばれているんですからやり切れません。 60爺は […]

過去と決別できていない鮫島が活躍 暗約領域 新宿鮫Ⅺ 大沢在昌/著

1.概要 久々の新宿鮫シリーズ11弾になります。前作発表から8年経ちました。 前作で、鮫島が信頼し、バックアップともなってくれた上司の桃井が殉職し、さらに、癒しとなっていてくれた恋人・晶とも別れた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、事件で断ち切られた絆に未だに縛られており、睡眠がとれなくなっています。 そのため、新たな捜査に没頭することで、その傷を癒そうとしているようです。そして、登場時の鮫島は、桃井 […]

どのお話も面白い!偽りの春 神倉駅前交番狩野雷太の推理 降田天/著

1.概要 著者の降田天(ふるた てん)は、「女王はかえらない」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞(宝島社主催)の大賞を受賞しています。 この感想文を書くために、wikiを見たところ、この名前は、萩野 瑛(はぎの えい)と鮎川 颯(あゆかわ そう)が小説を書くために用いている筆名の1つだそうです。両者とも女性です。 2人は大学の同級生で、東京都で共同生活をしながら執筆活動を行っているそうです […]

世に出ることが出来なかった平賀源内の哀愁と死の真相を著者が探った ねなしぐさ 平賀源内の殺人 乾緑朗

1.概要 平賀 源内(ひらが げんない、享保13年(1728年) – 安永8年12月18日(1780年1月24日))は、江戸時代中頃の人物。本草学者、地質学者、蘭学者、医者、殖産事業家、戯作者、浄瑠璃作者、俳人、蘭画家、発明家として知られる。 源内の最後は次のように伝えられています。 大名屋敷の修理を請け負った際に、酔っていたために修理計画書を盗まれたと勘違いして大工の棟梁2人を殺傷し […]