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戦場をかける一陣の旋風、結末が悲しい!蛇衆 矢野隆/著

1.概要 矢野隆が、2008年『蛇衆』にて第21回小説すばる新人賞を受賞した作品です。戦始末に続く矢野隆作品の感想ですが、今回の作品は史実ではない戦国伝奇物にあたります。 時代は室町末期、金で雇われて戦に加わる傭兵集団:荒喰(あらばみ)と呼ばれる者たちの物語であります。 とにかく強いの一言です。たった、数名の集団ですが、戦の帰趨を変えてしまうほどの力を携えています。 プロローグは、鷲尾重意(嶬嶄の […]

「毒島原発」の刑事時代の事件帖。毒島刑事最後の事件 中山七里/著

1.概要 中山七里著の作家刑事毒島に続く、毒舌の凄腕刑事が活躍する推理小説と言うか警察小説の第二弾です。 「登場人物はとんでもないモンスターだらけ!作家刑事毒島 中山七里著」で登場した毒島刑事が、素晴らしい推理で、犯人達を検挙したのち、彼らをぐうの音が出ないほど、けちょんけちょんにやっつけます。 第一作では、出版界に登場する勘違い野郎と言うか自己中野郎を相手に戦っていた?のですが、こちらの小説に登 […]

殿軍や負け戦に直面するそれぞれの武将の思惑が興味深い!戦始末 矢野隆/著

1.概要 2008年『蛇衆』にて第21回小説すばる新人賞を受賞した著者の作品です。 殿軍や負け戦に直面する武将たちの心境を描いています。 殿軍とは、「大部隊が移動する時、その最後部(=殿)に位置する軍勢のことです。特に、退却軍の後部で、敵の追い討ちを防ぐ軍勢です。ですので、負け戦の時などは生き残る可能性が低いんです。 この殿軍を任され、無事にやり遂げると、その勇猛さを認めてもらえるというメリットが […]

スマホを日常的に使用している人要注意。スマホ脳 アンデシュ・ハンセン/著

1.概要 日本では電車に乗っている乗客を見ると、たくさんの人間がスマホをしています。確かに、情報機器として優れていますが、このスマホに取り憑かれると大変なことになってしまうようです。 著者はスウェーデンの方ですが、スウェーデンでもスマホに取り憑かれた人間が数多く出て、社会問題化しているようですね。 この書籍の中には、その実例が驚くほど出てきます。 一部を抜粋してみます。 わたしたちは1日平均260 […]

良くできた短編5編が楽しめます。静おばあちゃんと要介護探偵 中山七里/著

1.概要 中山七里の推理小説です。 主人公は、同じ作者の「要介護探偵の事件簿」の下半身は不自由だが、頭の回転が早く口が達者な老人・香月玄太郎と、「静おばあちゃんにおまかせ」に登場する元裁判官の高遠寺静です。このふたつの推理小説の主人公がコラボレーションした作品です。 と思っていたら、内容紹介にあるように、中山七里の「このミス」大賞受賞作「さよならドビュッシー」で玄太郎おじいちゃんは登場していたんで […]

4つの謎があなたを楽しませてくれます!巴里マカロンの謎 米澤穂信/著

1.概要 随分久しぶりの米澤穂信の推理小説ですね。60爺の読書の部屋では、「古典部」シリーズ2作他の感想しか扱っていません。 古典部シリーズとはちょっと違った感覚!本と鍵の季節 米澤穂信/著これを読めば、<古典部>シリーズの通になれる!?皆様も是非!米澤穂信と古典部/米澤穂信 著古典部シリーズ第6作相変わらず面白い、「える」の将来は?いまさら翼といわれても 米澤穂信/著 この作品は、「 […]

前半は我慢して読み進みましょう!匿名交叉 降田天/著

1.概要 2015年『このミステリーがすごい! 大賞』大賞受賞作『女王はかえらない』の著者が描く、受賞後第一作目です。 昨今騒がれているSNSで起こった事件につながる、現代社会の闇や問題をうまく表現した作品だと思います。 本作ですが、始めは主人公ふたりともとても嫌な性格で共感する気になりませんでした。彼(彼女)のやっていることが、とても稚拙で自分の気に入らないものを徹底的に排除しようとする姿勢は、 […]

全13篇の短編小説集。降るがいい 佐々木譲/著

1.概要 久しぶりの佐々木譲の小説です。今回は、シリーズものである「道警シリーズ」ではありません。 60爺にとって、佐々木譲の小説では初めてとなる短編をまとめた小説集です。 あとがきに書いてありますが、雑誌発表を予定せずに自作朗読会のために書いた作品も4編ありです。 その4篇ですが、まず、この本の表題となっている「降るがいい」、「迷い街」、「不在の百合」、「隠したこと」です。この本の最初の4作品で […]

最終的にとんでもない敵の正体が明らかに。Tの衝撃 安生正/著

1.概要 またまた安生正の小説を読みました。 今回の物語は、自衛隊の核燃料運搬車が予想以上に強力な火器で武装した集団に襲撃を受け強奪されてしまうことから始まります。 さらに、とんでもない悪天候の中を飛騨山中の施設に向かった大学教授らが土石流に遭遇し、偶然生き残った准教授のエピソードが出てきます。 この二つの事件を発端にして、物語が進んでいきます。主人公は、核燃料襲撃犯洗い出しを厳命される自衛隊の運 […]

闘いの夢枕獏ワールドが堪能できます。新・餓狼伝 巻ノ五 魔拳降臨編/夢枕獏 著

1.概要 夢枕獏の描く超人達が闘う武闘小説の新刊が出ました。「新」がついて5巻目となります。今回も、超人達が闘っていますが、さらなる新キャラクターが現れます。さて、どうやって完結に向かうんでしょうか? この新・餓狼伝ですが、巻の一から、この巻の五まで、もろ、夢枕獏の格闘の世界そのものです。この小説のあとがきで作者もこう言っています。 格闘技について世界で一番小説に書いてきた作家であると思う。一つの […]