氏康の少年時代と氏綱の苦闘!北条氏康 二世継承篇/富樫林太郎 著

1.概要 富樫林太郎の新たな「北条サーガ」(あとがきで著者が語っています)の始まりです。「早雲の軍配者」から始まり、「信玄の軍配者」、「謙信の軍配者」と続き、「北条早雲」5巻に続く物語です。早雲死後の物語ですね。 さて、北条氏康は、歴史好きな方はお判りになると思いますが、戦国大名である後北条家3代目の当主です。それなのに、今回の小説の副題は、二世継承篇となっています。手に取った時から、副題に対して […]

心温まる物語、行助と好みの未来に幸あれ!静かな雨 宮下奈都/著

1.概要 「羊と鋼の森」の著者である宮下奈都の作品です。60爺は、この作品の感想で、「静かな空間で語られる若手ピアノ調律師の成長の物語!」と述べました。 こちらは、鯛焼き屋のこのみと彼女に寄り添い共に暮らす障害を持った主人公行助の物語です。この物語も、「羊と鋼の森」と同様に、「静かな空間で語られる」ものです。全編を「ほんわかとした」感じで流れています。 本当に優しい優しいお話です。物語が淡々と進ん […]

日露戦争で負けた東京で殺人事件を追う刑事の活躍!抵抗都市 佐々木譲/著

1.概要 久しぶりの佐々木譲の小説です。佐々木譲の刑事ものというと、北海道警察シリーズが思い浮かびますが、本小説は、世界観から何やらまで全く異なったものです。 何と言っても、日本が日露戦争に負けて、ロシアに占領されており、ロシアの駐留部隊が東京にいる前提で物語が始まっているのですから。 日本の道路が、クロパトキン通りだのロジェストヴェんスキー通りだの呼ばれているんですからやり切れません。 60爺は […]

過去と決別できていない鮫島が活躍 暗約領域 新宿鮫Ⅺ 大沢在昌/著

1.概要 久々の新宿鮫シリーズ11弾になります。前作発表から8年経ちました。 前作で、鮫島が信頼し、バックアップともなってくれた上司の桃井が殉職し、さらに、癒しとなっていてくれた恋人・晶とも別れた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、事件で断ち切られた絆に未だに縛られており、睡眠がとれなくなっています。 そのため、新たな捜査に没頭することで、その傷を癒そうとしているようです。そして、登場時の鮫島は、桃井 […]

どのお話も面白い!偽りの春 神倉駅前交番狩野雷太の推理 降田天/著

1.概要 著者の降田天(ふるた てん)は、「女王はかえらない」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞(宝島社主催)の大賞を受賞しています。 この感想文を書くために、wikiを見たところ、この名前は、萩野 瑛(はぎの えい)と鮎川 颯(あゆかわ そう)が小説を書くために用いている筆名の1つだそうです。両者とも女性です。 2人は大学の同級生で、東京都で共同生活をしながら執筆活動を行っているそうです […]

世に出ることが出来なかった平賀源内の哀愁と死の真相を著者が探った ねなしぐさ 平賀源内の殺人 乾緑朗

1.概要 平賀 源内(ひらが げんない、享保13年(1728年) – 安永8年12月18日(1780年1月24日))は、江戸時代中頃の人物。本草学者、地質学者、蘭学者、医者、殖産事業家、戯作者、浄瑠璃作者、俳人、蘭画家、発明家として知られる。 源内の最後は次のように伝えられています。 大名屋敷の修理を請け負った際に、酔っていたために修理計画書を盗まれたと勘違いして大工の棟梁2人を殺傷し […]

神奈川県警刑事部長となった竜崎伸也の初の事件は?清明 隠蔽捜査8 今野敏

1.概要 隠蔽捜査も8に来ました。今回は、神奈川県警の刑事部長となって赴任した竜崎信也の初の事件を描いています。 今野敏の小説ですので、サクサクと読み進めることが出来ます。この小説もコロナ禍の中で読み始めたこともあり1日で読んでしまいました。 相変わらず面白いです。周りがあっと驚く、相変わらずの竜崎の仕事の進め方で事件を捌いていきます。 神奈川県警に異動したことで、どういう話になっていくのか、今ま […]

初めから謎、謎、謎と進みますが、読後は爽やかです!警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官 梶永正史

1.概要 本作は、2014年第12回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作です。「このミス」大賞作は、外れがないと感じていますので読んでみました。 この物語は、文章は読みやすく、すらすら読めると思います。60爺は面白く読めました。物語は、銀座のど真ん中の銀行で銀行強盗が発生するところから始まります。動くな。床に伏せろ。手を上げろ。 主人公は、表題にもある通り、警視庁捜査二課の郷間彩香です。警部 […]

一流の人間の持つ魅力が語られます。読みやすいですよ。羽生善治 × AI 長岡裕也/著

1.概要 棋士:長岡裕也五段が10年以上羽生善治九段の研究会の相手(VS:ブイエス)を務めていますが、その長岡五段が羽生九段について語った内容です。 60爺も、本ブログでは、将棋のタイトルの記事や、月ごとの将棋界の結果を載せるようになって久しく、4級程度の見る将ですが、最近の将棋界は藤井七段の活躍で躍動していますね。 文章は淡々としており、VSを通して接した羽生九段の思い出話がたくさん記載されてい […]

天才女性相場師の凄まじいまでの取引を描く!ブラック・ヴィーナス 城山真一

1.概要 2016年第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作です。 主人公は二礼茜と百瀬良太です。二礼茜は都市伝説とされた女性投資家です。 百瀬良太は理想を持ってメガバンクに入行したものの、理想と現実の余りのギャップに夢破れ、失望して三年で退職し、零細企業を営む兄の金策の過程で二礼茜と知り合います。 ひょんなことから、彼女を知った百田ですが、彼女の人を助ける心に触発されていきます。 物語 […]