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歴史・時代小説

馬鹿な主君を徹底して支える男の物語!酔象の流儀 朝倉盛衰記 赤神諒/著

1.概要 越前の名門朝倉氏が滅びた時、最後まで朝倉家を支え続けた忠臣が首になって信長の首実検に現れた所から物語は始まります。 この物語では、朝倉家を潰した朝倉義景が徹底的な愚か者となって描かれています。戦国時代に、ここまで愚かな主君がいるんですか、何でこんな人を支えなきゃいけないんですかって何度も思いました。 人の生き方は様々ですが、とろい主君を見限って離反するのが当たり前の戦国に、こんな武将がい […]

虐げられた人間たちの心の叫び!童の神 今村翔吾/著

1.概要 平安朝の頃の天朝に媚びない、諂(へつ)わない者達への物凄く酷い差別のありようを綴った物語です。現在の部落問題にも通ずるものがあると思います。 主人公は、大江山にいたと言われる酒呑童子他です。そして、敵役は、源頼光及びその四天王(渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武)になっています。 酒呑童子が、どうして、鬼と呼ばれる存在になったのか、何故、討伐されなければならなかったのか、そして、実際に […]

本能寺の変に運命を狂わされた人々の短編集!とまどい本能寺の変 岩井三四二/著

1.概要 本能寺の変を受けて、運命が狂った人々のその後を扱う短編集です。 明智光秀の行動は、天下の誰もが驚く、驚天動地の行いだったのでしょう。その原因は何か、現代にいたるまで、あまた多くの方が考えていますが、しっくりした答えが出ていない歴史の謎です。 光秀曜変でも述べていた作者の原因が、この短編のひとつで詳しく述べられています。この視点は、今までになかったもので、妙に納得のできる答えだと思います。 […]

身をつまされる物語です!光秀曜変 岩井 三四二/著

1.概要 この小説では、本能寺の変の原因をここに持ってきたか、なるほどと思いました。当時の光秀は、既に60爺の年齢を越えていたんですね。 そうであれば、戦国の栄養事情も良くない時代、若い頃から無理に無理を重ねた男たちに、そういう結果があっても仕方ないと思えますし、切実なものを感じます。 主である信長も、本能寺の変では 50 になる本当に寸前のところでしたから。彼にこき使われていた当時生き残っていた […]

自身の見つけた法則を打破ろうと苦悩する信長!信長の原理 垣根涼介/著

1.信長が捕われた原理 垣根涼介の時代劇、戦国時代の巨星、織田信長を主人公にしています。 この方は、以前、同じ時代の信長の家臣、明智光秀を主人公に小説を書いていました。「光秀の定理」ですね。この中では、「四つの椀の理」を記してました。 この小説の中では、信長は 2:6:2の法則を見つけ出している設定となっています。 「働きアリの法則」とも言われ、よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボって […]

戦国時代に武張ったことが苦手な人間の悲喜こもごも!有楽斎の戦 天野純希/著

1.概説 主人公は、織田有楽斎です。この人、信長の弟だったのにもかかわらず、秀吉のお伽衆をやったり、大阪城にいたのに、大坂の陣においてうまく逃げだし、最終的には家康の庇護で一生を全うした人物ですよね。 調べてみると、織田信秀の十一男で、有楽・如庵(うらく・じょあん)と号したそうです。 信長とは、13歳離れた弟で、この小説の中では武張ったことが苦手な人間として記載されており、戦国時代、しかも信長の兄 […]

人魚の肉を食べた(食べさせられた)者らの悲惨な未来は?人魚ノ肉 木下昌輝/著

1.概要 「人魚の肉を食めば妖に憑かれる」と帯にあります。それって、不老不死ではなかったでしょうか?そうしたら、最後の物語の中で、以下のように語られています。 人魚の肉を食めば、妖を友とする呪いにかけられる。不老不死の妙薬は肉ではなくて、血だ  369ページ この小説は、人魚の肉を食べた者達の不幸を様々な形で物語にしています。ジャンル分けをすれば、ホラー小説に分類されると思います。 そして、ここに […]

家康が豊臣家を挑発する裏で恐るべき計画が発動していた!ふたり天下/北沢秋 著

『哄う合戦屋(わらうかっせんや)』で、2009年10月にデビューした北沢秋の小説です。その後、『奔る合戦屋(はしるかっせんや)』(2011年)、『翔る合戦屋(かけるかっせんや)』の合戦屋シリーズが書かれています。 この物語は、越前宰相・結城秀康と、黒田長政、そして、この2人の主人公に立花宗茂を絡めた歴史ファンタジー(こんな歴史があったら)ですね。 「関ヶ原の合戦の後、大坂冬の陣、夏の陣に至る間に、 […]

遂に完結。宿敵を滅ぼし、将来に目を向ける、軍配者も登場!北条早雲 疾風怒濤篇/富樫倫太郎 著

1.概要 富樫倫太郎の北条早雲も、いよいよ最終回を迎えました。青雲飛翔篇から始まった北条早雲も、悪人覚醒篇、相模侵攻篇、明鏡止水篇を経て、疾風怒濤篇で完結となります。 帯の内容をまず見ましょう。 権現山での敗走、山内上杉氏の内紛、身近な者の死…。相模統一に足踏みする宗瑞に、竹馬の友・門都普からある申し出が。不退転の決意で臨む、三浦氏との最終決戦。極悪人にして名君の生涯に決着をつける。シリーズ第5弾 […]

裏切りに対する苛烈さに悩む信長の内面を理解した男の行動は!第六天の魔王なり 吉川永青/著

1.概要 吉川永青の信長ものです。 60爺は、この人の書いた三国志の諸葛亮孔明が破天荒で大変好きなのですが、三部作を書いた後、三国志物は2冊出していますが、孔明はあまり登場しませんね。 さて、本書ですが、信長の戦をほぼ全て出しているようです。 桶狭間の戦いから本能寺の変までを描いています。本書の信長は、実はとても情に厚い男にしています。天下布武のため、おのれを押さえつけて苦悩する信長がいます。 日 […]