コミカルな冒険小説?罪を晴らすために躍動する若者達を描く!雪煙チェイス 東野圭吾/著

60爺にとって、久しぶりの東野圭吾の小説です。

プロローグで、脇坂竜実(わきさかたつみ)は、あるスキー場に行き、林間コースで自撮をしている女性を見かけ、その手助けをします。

プロ級のスノボーの腕を持つその美女は、誘いをかけようか考えていた竜実の目の前から、あっという間に姿を消してしまいます。しかし、竜実は、その女性が好みの顔立ちであったこともあり、忘れがたいものでした。

そして、殺人事件が発生します。仙台への出張帰りの小杉敦彦は、上司の南原からの呼び出しを受け、しぶしぶ現場に直行します。

そこで、参考人として、何と、竜実の名前が上がります。警察の中では、捜査本部が立ち上がることで、良く出てくる内輪もめとか縄張り争いの類が発生しています。

間の悪いことに、竜実は、疑われるのに十分なことを仕出かしていました。これが、上述の警察内のゴタゴタと絡み合って、殺人犯の汚名を着せらることになってしまいます。

しかし、その犯行時間の最中、プロローグでの出来事があったことを思い出し、親友の波川とともに汚名脱却の旅に出発します。

警察からの追及を脱するために、大学の学生の仲間達がスクラムを組んで、竜実達をフォローします。殺人犯ではないのだから、許されるのでしょうかね。

警察の捜査能力なら、この辺のことは簡単にわかっちゃう気もしますが、まア、その辺は面白いから考えるのは止めましょう。

それでも、ものすごく広いスキー場に、たった二人で、竜実が一度会っただけの美女を探しに行きます。

いろいろ考えながら、可能性のある箇所を順につぶしていきます。そのため、村の開催するツアーに参加したり、禁止区域に立ち入って、その場所の素晴らしさに事件も忘れて滑ろうとしたり、もう大変です。

一方、警察のゴタゴタ(といっても、上司の面子を立てる立てないなんて情けない話)から、二人だけ竜実達を追うために派遣される小杉と白井、スキー場にスーツを着てやって来て、絶句するシーンなどは、もうお笑いです。

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探偵だと言って、ボンボンの息子(竜実達)を探していると、嘘をついて捜査をするところなども、今どきのテレビでもあり得ないシーンです。こちらも、笑えます。

で、何だかんだ言いながら、ところの女将の協力を得て、竜実達と出会い、その話を聞いて一貫性に納得します。

そして、協力を得た女将の生き様に魂をゆすぶられ、「五分の魂はないのか」の声に、最後は刑事としての矜持を取り戻す小杉、最後はかっちょええですね。

事件解決後、小杉は、この女将の運営する居酒屋に再度やってきます。一緒に滑りたいと願う小杉と女将の間にも、何かが起こる気配があります。というように、あちこちにエピソードを並べて物語をつぐむ東野圭吾に脱帽です。

是非、ご一読を。