壮大な物語の始まりです。チンギス紀 一 火眼 北方謙三/著

1.概要

北方健三著作の連作物を久方ぶりに手にしました。チンギス紀-元朝を興したチンギス・ハーンの物語です。壮大な物語になるでしょう。実際、2021年4月5日現在で10巻まで刊行されています。

さて、北方謙三作の連作物ですが、楊家将から水滸伝、楊令伝と読んできたんですが、いわゆる滅びの美学と言いますが、それぞれの最後がねエ。

はっきり言って、「エエエエ!」という終わり方になっておりまして、楊令伝以後、がっかりして、この方の著作は読んでいないんですよ。

チンギス・ハーンは、こういうこともなかろうと、読み始めていますが、さて、どうなるでしょうか?

第一巻、「火眼」(かがん)と副題がついていますが、燃えるような赤い目を持った後のチンギス・カンとなるテムジンが、砂漠の中にいるシーンから始まります。

父であるイェスゲイが討たれた後、ある事情から異母弟を殺したことで故郷から去ったのです。

そして、テムジンが砂漠で出会うボオルチュやタイチウト氏に従う商人であるソルカン・シラ、金国のしょう源基などとの交流が、今後の物語にどう影響してくるでしょうか?

内容紹介です(「BOOK」データベースより)。

父を討たれたテムジン(のちのチンギス・カン)は、独り南を目指す―。テムジンの父シェスゲイは、モンゴル族キャト氏の長であり、モンゴルをひとつにまとめるはずだったが、不意を突かれタタル族に殺害されてしまう。そのときテムジンはわずか10歳だった。モンゴルの主導権をめぐって同族のタイチウト氏が台頭し、弱体化したキャト氏に敵対するようになる。ある事情から異母弟を討ったテムジンは独り、タイチウト氏を避けていったん南の地へ向かうのだが―。

2.内容ちょっぴり

第一巻では、テムジンの現状と、テムジンが去ったモンゴルの地での、他部族の動向(ライバル?や敵)やテムジンの留守を守る母親ホエルンの現状が並行に語られます。

最初の章は「砂塵」です。テムジンが砂漠の地にいることは上述しましたが、5つの節に分かれています。テムジンが主体の章ですが、三番目の節だけ、テムジンの刃はホエルンの動向が書かれています。

この章では、砂漠で出会うボオルチュとソルカン・シラとの出会い、そして、砂漠を抜けて、しょう源基の妓楼に雇われ働き出すところまでが描かれます。

二章は「雪の白さ」です。こちらも、5つの節に分かれています。

ジャンダラン氏のジャムカが登場します。メルキト族と闘い、メルキトとの軋轢を望まない父から土牢に15日閉じ込められるも生還する過程が物語られます。腕の立つ放浪者ほーろいとの出会いもあります。

タイチウト氏のタルク・ダイとトドエン・ギルテも登場です。彼らは敵役ですね。ボオルチュとテムジンの妓楼での生活も描かれています。

この後も、「曇天に光は」、「日々の色」、「原野再び」と章が続きます。いずれも5つの節に分かれています。

トドエン・ギルテが三名の刺客を放ち、テムジンがこれをどう迎撃するか、テムジンの成長やホエルンの許にやはり腕利きの放浪者が来て、テムジンの弟たちをどう鍛え上げていくかも語られます。

この先が楽しみになるお話です。

是非、ご一読を。