他シリーズの登場人物が次々に登場!合唱 岬洋介の帰還 中山七里/著

1.概要

中山七里の描く岬洋介シリーズの最新刊です。wiki では、このシリーズについて、ピアニストの岬洋介が、周りで起きる音楽関連の事件を解決する推理小説のシリーズと紹介しています。

さらに、「岬洋介があくまで関わった事件なので、主人公は各作品ごとに別の人物となっており、岬は事件解決やアドバイスなどを行う探偵役で狂言回しの立場である」と言っていますが、本編は、洋介が主人公であると言って差し支えないでしょう。

今回の事件は、洋介の恩人?である検事の天生が検事調べの最中にあろうことか意識を失い、数分後に目覚めた時、目の前には幼稚園で幼児らを惨殺した容疑者仙街の銃殺されていた密室殺人です。

検察は、たとえ容疑者が“平成最悪の凶悪犯”と称されていようと、裁判を通さない個人の報復は認めないという姿勢で、天生を厳罰に処すために迅速に動き出します。

それに対し、天生側は弁護を受諾する弁護士もなく、にっちもさっちもいかない状況に陥ってしまいます。

そんな状況に追い込まれた天生を救うため、岬洋介が日本に帰ってくるのです。

内容紹介です(「BOOK」データベースより)。

幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した“平成最悪の凶悪犯”仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、あの男が帰還する―!!

2.内容ちょっぴり

作者は、岬洋介の容貌を貴公子と表現しています。そして、洋介の目は外国人の血が入っているのか、鳶色の深い瞳で眺め続けていると吸い込まれそうになるようです。

この事件は、検事と容疑者二人しかいない密室で容疑者が銃殺された事件で、部屋の外には刑事が待機していて銃声も聞いており、誰が考えても射殺犯は担当検事である天生しかないという状況です。

さらに、天生を罰するために、検察庁では、東京高検の次席検事である岬恭平を指名します。岬恭平は、岬洋介の父であり、洋介との間にカクシュウがあるようです。

それを覆すために、洋介の取った行動は、まず、あの弁護士を頼みます。

御子柴礼司は死体配達人と呼ばれる弁護士で、同じ著者の御子柴礼司シリーズに登場する弁護士です。岬次席検事に二度勝っている最強の弁護人です。

そして、検察の証拠について弁護側で再鑑定を行い、そこから逆転の目を掴んでいくのです。証人として、氏家京太郎、光崎藤次郎も登場します。さらには、刑事の犬養も証人として出頭します。中山七里著作の登場人物が次々に登場するファン垂涎の物語だと思います。

詳細は、本編をお読みください。とても面白い小説です。

是非、ご一読を。