柳広司の16年の活動を面白く綴っています。柳屋商店開店中 柳広司/著

1.概要

ジョーカーゲームの著者柳広司の短編・エッセイ及びコラムなどをいろいろ集めた一冊です。

あとがきまでは 307ページありますが、206ページまでは、短編が9作あります。短編のひとつひとつに、著者の一言が添えられています。

この短編なんですが、シャーロック・ホームズから始まって芥川龍之介、中国史・ギリシア神話ととてつもなく幅広い分野の作品集となっています。

後半は、著者のエッセイ集です。なぜこの組み合わせなのかは本書のあとがきを読むとわかりますが、笑えると思います。

内容紹介です(「BOOK」データベースより)。

『ジョーカー・ゲーム』シリーズ作品アリマス。ホームズにメロスにかぐや姫もアリマス。さらに縦横無尽のエッセイまで大盤振る舞い。柳広司の全部ココにアリマス。

2.内容ちょっぴり

短編9編は次の通りです。

  • バスカヴィル家の犬(分家編)
  • シガレット・コード
  • 策士二人
  • 蚕食
  • 竹取物語
  • 走れメロス
  • すーぱー・すたじあむ
  • 月光伝

バスカヴィル家の犬(分家編)は、ご存知ホームズ物ですが、事件自体は本家物に比べると「何じゃらほい」というほどありきたりなものです。

三つ目のシガレット・コードは、著者も言っているように、ジョーカーゲームシリーズの中の「誤算」の前日譚です。サクッと読めましたが、非常に面白かったです。

策士二人は、兵法家孫ビンのお話です。師匠に裏切られ無実の罪により、足の腱を切られ刺青を入れられてしまった弟子が、その有り余る才能で師匠を倒すまでの物語です。

60爺は中国古典が好きですので、実に興味深く読めました。それにしても、男の嫉妬は怖いですね。

竹取物語「かぐや姫」の物語も非常に面白かったですね。「かぐや姫」の境遇から芽生えた考えは男を寄せ付けませんが、美しさが仇となりとんでもない権力者が出てきてしまいますが、ラストは本当に笑えます。是非、読んでください。

次にエッセイです。5つの分野にくくられています。

  • Ⅰ 自作紹介 読んでください
  • Ⅱ おすすめ 映画や音楽、もちろん小説も
  • Ⅲ あとがき 先に読んでも面白い?
  • Ⅳ こんなことも 小説家は生活する
  • 柳広司を創った「13」

そして、最後に「あとがき」があります。

Ⅰは、本人が書いた作品を回想しています。4つの作品で、過去の有名人物を主人公にしているようです。ソクラテス、夏目漱石、ダーウィン、そして、小泉八雲ですね。最後の「怪談」は読んだことがあります。

Ⅱは、柳広司がおすすめする作品群です。副題にあるように映画、音楽、小説とお勧めしていますが、小説家だけあって、やはり小説が多いです。この中で、不思議な体験をした一編があります。ちょっと怖いところもある体験だと思います。

Ⅲ、Ⅳ、柳広司を創った「13」も面白く読めると思います。

是非、ご一読を。