テムジン軍がどんどん大きくなっていきます。チンギス紀 四 遠雷 北方謙三/著

1.概要

北方健三著作のチンギス紀-元朝を興したチンギス・ハーンの物語第四巻です。前巻では二千騎だったテムジン軍も3,500騎に増加しています。

これに加え、テムジンは、後方の支援部隊も充実させ、鉄音(ズルフ)と名付けた鉄塊の生産地で武器や生活用品を次々に作り出しています。

さらに、生産の規模を3倍に増やすために、負傷して戦えなくなり、自分の家に帰りたがらない人員を送り込んでいます。また、牧を作り、良い馬の生産を積極的に行い、4,000頭まで増産されています。

まだまだ先は長いので大丈夫ですが、毎回言いますように、がっかりする最終回は読みたくないですね。

第三巻、「遠雷」(えんらい)と副題がついています。

この巻では、メルキト族のダレル・ウスンにキャト氏の民を殺されたテムジンがジェルメに仇を取らせたことでメルキト族が出して来た3,000騎に、テムジンは、ジャムカとともに立ち向かうところから始まります。

内容紹介です(「BOOK」データベースより)。

テムジンとジャムカは、メルキト族という共通の敵に立ち向かう―。トドエン・ギルテと通じていたメルキト族のダレル・ウスンが、モンゴル族キャト氏の民を豊海で殺害した。テムジンはジェルメに仇をとらせ、トクトア率いる強大なメルキト族とも敵対することに。彼らはモンゴル族の西、豊海の南に位置していた。テムジンは、ジャムカとともにケレイト王国の先鋒となり、メルキト族一万五千騎との一大決戦に臨むことになるのだが―。

2.内容ちょっぴり

第四巻の章と節の主人公を示しておきましょう。

友よいつかジャムカ
テムジン
トクトアホーロイ
ジャムカ
ボオルチュジェルメ
将帥の原野ラシャーンテムジンジャカ・
ガンボ
テムジン
ジャムカ
ジャカ・ガンボ
風と雲ジャムカトクトアモンリク
ダイル他
テムジンボオルチュ
遠い血サチャ・ベキテムジントオリルジャムカダイル
狗眼
鋼の日タルグダイカサル
テムゲ
ジャムカダイル
ヤク
テムジン

第四巻最初の章は「友よいつか」です。

テムジンは、モンゴル族キャト氏の民を豊海で殺害したメルキト族のダレル・ウスンをジェルメに命じて仇をとらせました。それに対し、トクトアは三千騎を出して来たため、テムジンはジャムカと共に戦うことになったのです。

この戦は、「テムジンは変幻だった」、「テムジンとジャムカに勢いをつけさせてしまった」とトクトアが言うように、テムジンとジャムカの鮮やかな勝利で幕を閉じました。

二章は「将帥の原野」です。

内容紹介にあるように、ケレイト王国から同盟を求められたテムジンとジャムカは、メルキト族一万五千騎との一大決戦にケレイト王国の先鋒となり、一大決戦に臨むことになります。

テムジンとジャムカは敵を押し崩しますが、ケレイト軍本軍の押し出しが悪く、テムジンとジャムカはケレイトの嫡子である総大将のセングムに強烈なねじ込みを食らわせます。このシーン痛快ですね。

この後、先鋒をセングムに譲ったテムジンとジャムカは後方に退くのですが、無謀な突込みを行ったケレイト本軍は、トオリルの策に嵌り惨敗を喫してしまいます。

第四巻も、スラスラ読めますし、弟たちを徹底的に鍛えるカサルやテムゲの姿や、ジャムカに子が生まれるシーンもあります。

また、ジャムカが一瞬の隙をついてきたメルキト軍に絶体絶命のピンチに陥りますが、替え馬を使ったテムジンの見事な救援に救われる物語も後半に出てきます。

是非、ご一読を。